往復書簡: 2005年9月アーカイブ
ひえたろう N
> > > > > > > 宇宙の平均温度が -270℃ってのについてですが。 > > > > > > > これはたぶん、2.7K (K=ケルビン; 絶対温度)の宇宙背景輻射のことを指して > > > > > > > いると思います。これは宇宙に「充満する光(フォトン)」の温度です。昔はもっ > > > > > > > と高かった。これはまさに宇宙が膨張しているから、温度が下がっています。 > > > > > > > > > > > > あれ? ってことは、「宇宙の平均温度」というのは私の勘違いだっ > > > > > > たわけですな。あくまで宇宙の「一部」であるフォトンの平均温度って > > > > > > ことか。 > > > > > > > > > > うん。 > > > > > 解説の人がわかりやすく言おうとしてそんな風に言ったのかもしれんけど。 > > > > > > > > いや、そんなにコンつめて聞いてなかったので、私の勘違いかと。 > > > > > > > > > ただまあ、太陽の光がこない宇宙空間に物体をほっておけば、やがてはその温 > > > > > 度には落ち着くでしょうなあ。 > > > > > > > > これはつまり、 Background 状態ってことっすか。 > > > > > > Background 輻射と平衡になる、ということですな。 > > > 十分な時間をおけば、平衡になるわけで。平衡かどうかってのは、一つには平 > > > 衡に落ち着くタイムスケールとの比較の問題でもあるわけです。 > > > > 結局、「太陽の光がこない宇宙空間」の物体に干渉するというかシン > > クロするというか、相互作用?をするものが、「充満する光(フォトン)」 > > しかない(=だから平衡状態に向かう)ってことになるのかな。 > > ええと、そうですね。 > 近くにもっと強い輻射源とかエネルギー源の類があれば、そっちの影響を受け > るでしょうけど、そういうのがなければ background radiation しかないわけ > で。そういう状態だと、やがて(時間はかかるが) 2.7K に落ち着くはずです。 「そういうのがなければ background radiation しかない」ってのが ポイントで。 読んでる分には……そして background という名前から受ける印象で は、宇宙の何もないところ(語弊はあるだろうけれど)にある、最低限 のものが「充満する光(フォトン)」(=cosmic background radiation)である、と思ってたんだけど……。 この先読んでいくと、CXBとかそういうのも background radiation であると。 うむむむむむなのよ。(ToT) > > > > > > しかし「宇宙背景輻射」って、なんか奇妙な名前ですなあ。(^-^; : > > 研究者にしてみれば、結局 Radiation が一番しっくりくるのかもし > > れませんな。よくある話で。(^^; > > しかし、radiation は長くていいにくいので、輻射、放射ということもよくあっ > たりする。(^^;; > あと、background radiation の場合は、radiation がそもそも省略される場 > 合が多い。Cosmic Microwave Background とか(2.7K ってのは microwave に > あるのでこう言われます)。略称 CMB。 > > ちなみに他の波長での背景輻射ってのはあって(黒体輻射ではないのだけど)、 > X-ray だったら CXB とか呼ばれます。コイツらはだいたい天体起源で、観測 > の空間分解能が上がるにつれて具体的にどこから来ているかが明らかになって > きます。昔の観測ではボヤけてノッペリとやってくるように見えてたのが、シャー > プに見えるようになると「この銀河から来ている」とかわかるようになる。 うーむ、と。(^^;; 天体起源ちゅうことは、こいつは、まあ天体が十分に遠ければ観測さ れないこともあるわけね。 : > > > > > > > > > > > > なななんと。☆_☆ 平衡状態じゃないのか。 > > > > > > しかし同じ「平衡状態ではない」にしても、初めは平衡状態で今は違 > > > > > > うってのが、なんとも奇妙ですなあ。(^^; > > > > > > そういう臨界点があるとか、そういうことですかねえ。 > > > > > > > > > > 物質の状態と密度の違いによります。 > > > > > 宇宙初期は高温のため全部イオン化されていて、陽子と電子がバラバラになっ > > > > > ています。 > > > > よく見てみると……。てことはあれかい、宇宙初期には素粒子レベル > > の存在は陽子、電子、あるいはイオンの姿をしてしか存在しなかったっ > > てことかいな。 > > いや、「素粒子」というともっと種類はあって、例えばフォトンは素粒子の一 > つだし、陽子内の相互作用をになう素粒子はいろいろある(Z粒子とかW粒子と > か)。重力子ってのも存在は確認されていないがあるでしょうな。ただ、地球 > や我々の体を構成するような原子はイオン化されちゃってる、ということです。 ああそうか、なるほど。 陽子、電子、あるいはイオンは必ず素粒子で構成されてるけど、全て の素粒子が陽子、電子、あるいはイオンを構成してるわけじゃないんだ ね。勘違い。 > さらにいうと、もっともっと初期にさかのぼると、あまりに高温のため陽子も > 存在できず、陽子を構成するクォークがバラけてしまう。もっと高温だと、低 > 温では別種の粒子になってたものが同じ粒子になったりする。 うえへえええええ。 ところでこの、「もっともっと初期にさかのぼると、あまりに高温の ため陽子も存在できず、陽子を構成するクォークがバラけてしまう。」 という部分。 宇宙の最初期は、「あまりに高温」だったのかな? つまり、「陽子を構成するクォークがバラけてしまう」という表現の ことなんだけど、時系列でいうと、 凄く高温なので同じ粒子だった → そこそこ高温なのでバラけてた → ちょっと下がったらいろいろくっついてクォークになった なのか、 クォークがあった → そこそこ高温になったのでバラけた → も っと高温になったので、同じ粒子になった → そこそこ高温なのでバ ラけた → ちょっと下がったらいろいろくっついてクォークになった なのか、という話で。 でまあ、もしも前者だったとして……。 「低温では別種の粒子になってたものが同じ粒子になったりする。」 ってのはステキな現象だよね。(^O^) それって、全く同じ粒子なんかな。 あるいは「これは低温になったらこういう粒子になる、というふうに、 (高温のうちから)決定づけれらている」ってことになるのかな。 … …って、そうだとしたら「同じ粒子」とはいえんか。 : > > ってことは、まあ「背景輻射のフォトン」ってのは「かろうじて」観 > > 測できてるわけだよねえ。 > > てことは、きっと「完全に独立」してる物質……というかモノという > > か、そういうのが存在する可能性はあるんでしょうな。確認できないだ > > ろうけど。 > > つまり、この宇宙の同一座標、同一時間に、そういうモノから構成さ > > れる、全く別の宇宙が存在している可能性もあるわけだ。 > > > > ……とはいえ「こちら側」との相互作用が全くない(=観測できない) > > のなら、それはまあ科学の立場としてはまさに「どっちでもいい」とい > > う話に落ち着く議論なんだろうけど。 > > いや、それが面白い話で、フォトンとは全く、あるいは非常に弱くしか相互作 > 用しない物質というのはあるわけ。ダークマターもその一種ですが。ニュート > リノもそうですな。地球ぐらい簡単にすり抜ける。 このあたりのものって、エネルギーがある/ないちゅう話になると、 その(例えばニュートリノが持つ)エネルギー自体が相互作用しないっ てことになるのかなあ。 そうだとしたら、相互作用しないエネルギーって、エネルギーの定義 としてどうよ?という疑問が湧くなあ。 > > で、普通そういうのはかなり広い範囲でノッペリと存在しているので太陽系ス > ケール程度ではどこも一様にあると思われているのだけれど、もしもそういう > のでできた星とかあったら、重力相互作用はおそらくするであろうと思われる > ので、「なんや見えないけど引き寄せられる」という状態になるはずです。つ > まり、重力を介してしか相互作用しないと、重力との相互作用を通じて観測す > るしかない、と。 ををを、なんかSFチックだ! となると、引き寄せられる方向はやっぱり1点に向かうことになるの かな。 重力相互作用……。うーむ、そういういろんな種類の相互作用がある のね。 この星は結局、宇宙のいろんなゴミをその中心に蓄えていくことにな るだろうから、見た目はゴミの星になるのかなあ。 > > もちろん、どんな相互作用も全くしない物質があれば、あろうがなかろうが > 「どっちでもいい」ということにはなりますな。 だよねえ。 霊界もありか?……と思ったが、霊界は幽霊が相互作用するからな。 (^^; > > > あと、これはあくまでも背景輻射を構成するフォトンの話で、当然ながら世の > > > 中いろいろなフォトンがあるのでフォトン全般の話ではないです。念のため。 > > > > あれれ、フォトンにもいろいろあるのか……。 > > > > ふぎゃ。 > > うむ。 > 編集長氏が発っした赤外線のフォトンもこの世のフォトンの一部をなしておる。 むむむ? わ、私はそんなもの発しておるのか!? > > > > > もっと温度が下がってくると、別な理由でまたイオン化されるんだけど(これ > > > > > はまだなぜかはよくわかっていない; たぶん出来たての銀河が UV 光をガンガ > > > > > ン出してイオン化したか、クェーサーなどの特異天体による UV かなんかによ > > > > > ると思われている)、こんどは物質の密度がスカスカすぎて、フォトンはほと > > > > > んどぶつからなくなります。 > > > > > > > > > > > > ちなみにどう下がるかというと、宇宙のサイズ(二点離れたところにそっ > > > > > > > と置いた物体同士が宇宙の膨張のみによって離れていく距離と思ってくだ > > > > > > > さい)に反比例します。 > > > > あれれ、距離に反比例? 体積でなく。 > > 温度はそうです。 > エネルギー密度は距離の4乗ですが。 > どういうことかというと、フォトンの個数密度は体積に反比例し、個々のフォ > トンのエネルギーがドップラー効果で距離に反比例して落ちるので、 > エネルギー密度 = 個数密度 x 個々のエネルギー > ということで温度は距離の1乗、エネルギー密度は4乗に反比例、ということに > なります。 ををををををををっををををををを。 こんなところにドップラー効果が登場するなんてなあ。 : > > > で進化の方ですが、それがいろいろ議論のあるところなのですが、現在のとこ > > > ろ、ほぼ一定に落ち着きつつあるのではないか、と思われてます。というのは、 > > > そのダークエネルギーってのの密度がもっとも大きくなってると思われてるの > > > で。 > > > > > > 宇宙のサイズの指標を a とすると、前回言ったように、エネルギー密度ρは > > > > > > ・輻射(フォトン) ρ∝1/a^4 > > > ・普通の物質、ダークマター ρ∝1/a^3 (体積に反比例) > > > ・ダークエネルギー ρ=const. (あるいは a が大きくなると共に少しづつ下 > > > がるというモデルもある) > > > > > > となってます。現在の理解では、現在を a=1 となるように物差しを設定すると、 > > > > > > ・a=1/10^4 で輻射のρ=物質のρ(これ以降、物質のρが卓越) > > > ・a=1/10^3 で背景輻射が独立になる(再結合) > > > > > > です(つまり、空間が現在の1万分の1、千分の1の時代)。 > > > ダークエネルギーと物質のρが同じになるのは a=1/2 よりも現在に近いぐら > > > いと思ってよさそうな雰囲気です。 > > > > むむむむ。 > > わかったようなわからんような、なのだが……。(^^; ってことは、 > > つまりダークエネルギーと物質のρが同じになる(=平衡になる??) > > のは現在の宇宙のサイズが現在より少しばかり1/2に近いくらいの大き > > さあたりである、と? > > 平衡ではないのだけど、そのあたりで「たまたま」同じになります。 > なんでかはよくわからないのだけど、今の宇宙はそうなっているらしい。 ああそうか。独立してるもんね。 いいね、この、「なんでかはよくわからないのだけど、今の宇宙はそ うなっているらしい。」というコメント。 非常に科学的だ。 > > つまり、宇宙はいずれ、少し収縮の方向に向かう? > > これが逆で、いまはどんどん加速しながら膨張していってるらしいのだな。 > ええと、ちょっと前回までの言い方が悪かったのだが、真空のエネルギーは普 > 通の物質のエネルギーとは違って、斥力として働く。運動方程式を書くと、 > a = -GM/r^2 + Λr/3 > という形になる。ここで a は加速度、r は距離、Λは真空のエネルギー密度 > に比例する量。つまり、Λが non-zero だと、r が大きくなるとどこかで右辺 > が正になって、宇宙が大きくなればなるほど加速していくということになっちゃ > うのだ。 > # インフレーションというやつだな。 > > とにかく変なやつなのだ、真空ってやつぁ。(^^;; なるほどなあ。 膨張してるのか。 この式を見る限り、これ以降加速度がマイナスに転じることはなさそ うな……。 ちゅか、右辺が正になった瞬間ちゅうのが、ビッグバン? > > > > 探してるってことは見つかってないってことだよなあ。 > > > > なのに「振舞いとしては普通の物質に近」いってことがわかってるの > > > > は、ダークマターってのは観測したものじゃないってことかい。 > > > > > > ええと、原子はある素粒子の複合体であるわけです。陽子、中性子、電子。陽 > > > 子や中性子はクォークなどというさらに細かいレベルの素粒子に分解可能。 > > > で、ダークマターになってるのは、そういう原子を構成するのではない、別の > > > 素粒子であろうと考えられています。 > > > > なるほどなるほど。 > > > > てことは、陽子、中性子などを構成する素粒子では「ない」素粒子が > > あり、それが単体で存在するか、それとも陽子、中性子に相当するよう > > な何かを構成するかもわからないけど(わかってるのかな?)、それは > > 私たちが知ってるいわゆる「普通の物質」とは呼べんだろう、振る舞い > > は似てるけど……ってことなのかなあ。 > > まあそう思ってもらっていいと思います。 > ただまあ単体では存在してるんだと思う。複合体になってるってことは相互作 > 用が強いってことで、それだったら何らかの観測にひっかかってるだろうから。 ああなるほど。 > > 理論的に「こういうのがあるかもしれん」とか「ないと困るなあ」という粒子 > が幾つかあって、そいつらの質量がこれだけあるとダークマターの候補になる > ぞ(=宇宙の質量の大部分を占めるはずだ)、というんで、そういう粒子を検出 > しようとしている実験屋さんがいっぱいいるのだ。 > 一応、見つけたいものがあるってことは幸せだね。(^O^) > > > たとえば以前は有力候補だったのがニュートリノ。こいつにちょっと質量があ > > > ると、宇宙背景ニュートリノ輻射の理論計算から、エネルギー密度で支配的に > > > なるということが言える。しかし、諸々の理由から、ニュートリノでは困ると > > > いう話になっています(少しだけ質量はあるようだが)。 > > > > けっきょくあるんかい。(^^; > > 質量があるとまずいんでは??? > > まずくない程度にある、と。(^^;; > 宇宙を閉じさせるために必要な質量の数%あるかないかぐらいみたい。まだ実 > 験的には示唆の段階で、ちゃんとは決まってないようだけど。 宇宙を閉じさせる……? |
ひえたろう N
> > > 結局、「太陽の光がこない宇宙空間」の物体に干渉するというかシン > > > クロするというか、相互作用?をするものが、「充満する光(フォトン)」 > > > しかない(=だから平衡状態に向かう)ってことになるのかな。 > > > > ええと、そうですね。 > > 近くにもっと強い輻射源とかエネルギー源の類があれば、そっちの影響を受け > > るでしょうけど、そういうのがなければ background radiation しかないわけ > > で。そういう状態だと、やがて(時間はかかるが) 2.7K に落ち着くはずです。 > > 「そういうのがなければ background radiation しかない」ってのが > ポイントで。 > > 読んでる分には……そして background という名前から受ける印象で > は、宇宙の何もないところ(語弊はあるだろうけれど)にある、最低限 > のものが「充満する光(フォトン)」(=cosmic background > radiation)である、と思ってたんだけど……。 > この先読んでいくと、CXBとかそういうのも background radiation > であると。 > > うむむむむむなのよ。(ToT) 'background' ちゅうのは、第一義的には、「宇宙のあらゆる方向からやって くる、のっぺりした何か」です。のっぺりちゅうても、多少の方向依存性はあっ ていいのだが、点源には(空間的に)分解できず、ボヤ~ッと来るようなもの。 ノイズのように見えるやつです。 「何か」っちゅうのは、別に光でなくてもいい。ニュートリノでもいいし、重 力波でもいいです(ちなみにコイツらはまだ観測されていないけど、理論的に あると予言されている。観測が難しいのでまだ検出されていない、と考えられ ている)。 2.7K の背景輻射が特別視されるのは、それがビッグバンの名残であり、また 綺麗な黒体輻射をしているからです。つまり、宇宙初期に熱平衡であった証拠 になっているから。 他の波長(X線など)は黒体輻射になっているわけではないです。例えば X線背 景輻射はクェーサーなどからの光の重ね合わせで説明できると考えられていま すが、 # 遠くの、あるいは暗めのクェーサーが大量にあってフォトンはやってきてい #るのだけれども、「一個、二個、」と数えられるように空間的に分解されるほ # どには明るくないやつの重ね合わせ。 こういうのは輻射のメカニズムが違うので、「何度」とか温度では言えなかっ たりします。 で、flux (どれだけエネルギーがやってきてるか)で比べると、2.7K の輻射が 一番強いです。 この論文↓に図が載っているので(生データではないけれども)、見たらわかり いいかも。横軸に光の周波数、縦軸にフォトン数をとったものです。 http://jp.arxiv.org/abs/astro-ph/9903294 # postscript を選ばないと図が出ないみたい。 ちうわけで、世の中色んな波長の光で満ち溢れている(溢れてはいないかもし れんが^^;;)のですよ。 > > > > > > > しかし「宇宙背景輻射」って、なんか奇妙な名前ですなあ。(^-^; > : > > > 研究者にしてみれば、結局 Radiation が一番しっくりくるのかもし > > > れませんな。よくある話で。(^^; > > > > しかし、radiation は長くていいにくいので、輻射、放射ということもよくあっ > > たりする。(^^;; > > あと、background radiation の場合は、radiation がそもそも省略される場 > > 合が多い。Cosmic Microwave Background とか(2.7K ってのは microwave に > > あるのでこう言われます)。略称 CMB。 > > > > ちなみに他の波長での背景輻射ってのはあって(黒体輻射ではないのだけど)、 > > X-ray だったら CXB とか呼ばれます。コイツらはだいたい天体起源で、観測 > > の空間分解能が上がるにつれて具体的にどこから来ているかが明らかになって > > きます。昔の観測ではボヤけてノッペリとやってくるように見えてたのが、シャー > > プに見えるようになると「この銀河から来ている」とかわかるようになる。 > > うーむ、と。(^^;; > > 天体起源ちゅうことは、こいつは、まあ天体が十分に遠ければ観測さ > れないこともあるわけね。 そうです。望遠鏡がデッカクならないとどうしようもないですね。 X線の場合、昔は空間分解能が悪くてまさに background という感じで観測さ れていたんだけれど、観測技術が進歩するにつれてどんどん個別の天体が同定 されるようになり、「なんだ、background はほとんど個別の天体から来てる んだ」というようになってきています。 ただし、2.7K のやつは、最初に言ったように宇宙全体が熱平衡状態であった ことの名残りなので、天体には分解されないはずです。もし全部が分解されちゃっ たら、ビッグバン理論がヤバイということになりますね。 > : > > > > > > > > > > > > > > なななんと。☆_☆ 平衡状態じゃないのか。 > > > > > > > しかし同じ「平衡状態ではない」にしても、初めは平衡状態で今は違 > > > > > > > うってのが、なんとも奇妙ですなあ。(^^; > > > > > > > そういう臨界点があるとか、そういうことですかねえ。 > > > > > > > > > > > > 物質の状態と密度の違いによります。 > > > > > > 宇宙初期は高温のため全部イオン化されていて、陽子と電子がバラバラになっ > > > > > > ています。 > > > > > > よく見てみると……。てことはあれかい、宇宙初期には素粒子レベル > > > の存在は陽子、電子、あるいはイオンの姿をしてしか存在しなかったっ > > > てことかいな。 > > > > いや、「素粒子」というともっと種類はあって、例えばフォトンは素粒子の一 > > つだし、陽子内の相互作用をになう素粒子はいろいろある(Z粒子とかW粒子と > > か)。重力子ってのも存在は確認されていないがあるでしょうな。ただ、地球 > > や我々の体を構成するような原子はイオン化されちゃってる、ということです。 > > ああそうか、なるほど。 > 陽子、電子、あるいはイオンは必ず素粒子で構成されてるけど、全て > の素粒子が陽子、電子、あるいはイオンを構成してるわけじゃないんだ > ね。勘違い。 そうです、そのとおり。 > > さらにいうと、もっともっと初期にさかのぼると、あまりに高温のため陽子も > > 存在できず、陽子を構成するクォークがバラけてしまう。もっと高温だと、低 > > 温では別種の粒子になってたものが同じ粒子になったりする。 > > うえへえええええ。 > > ところでこの、「もっともっと初期にさかのぼると、あまりに高温の > ため陽子も存在できず、陽子を構成するクォークがバラけてしまう。」 > という部分。 > > > 宇宙の最初期は、「あまりに高温」だったのかな? そうです。 > つまり、「陽子を構成するクォークがバラけてしまう」という表現の > ことなんだけど、時系列でいうと、 > > 凄く高温なので同じ粒子だった → そこそこ高温なのでバラけてた > → ちょっと下がったらいろいろくっついてクォークになった > > なのか、 > > クォークがあった → そこそこ高温になったのでバラけた → も > っと高温になったので、同じ粒子になった → そこそこ高温なのでバ > ラけた → ちょっと下がったらいろいろくっついてクォークになった > > なのか、という話で。 > > > でまあ、もしも前者だったとして……。 はい、前者です。 少なくともいわゆる「プランクエネルギー」というやつにはなっていたであろ う、と。大体 10^19GeV (giga electron volt) なので、おおよそ 10^32 K ぐ らいかな。 > 「低温では別種の粒子になってたものが同じ粒子になったりする。」 > ってのはステキな現象だよね。(^O^) > > それって、全く同じ粒子なんかな。 > > あるいは「これは低温になったらこういう粒子になる、というふうに、 > (高温のうちから)決定づけれらている」ってことになるのかな。 … > …って、そうだとしたら「同じ粒子」とはいえんか。 低温になったら何対何でコレとコレに分かれる、という感じだと思います。 このあたりは相転移と関係しているので、super-parano 氏の方がうまく説明 できるのでは、と…。(^^;; > : > > > ってことは、まあ「背景輻射のフォトン」ってのは「かろうじて」観 > > > 測できてるわけだよねえ。 > > > てことは、きっと「完全に独立」してる物質……というかモノという > > > か、そういうのが存在する可能性はあるんでしょうな。確認できないだ > > > ろうけど。 > > > つまり、この宇宙の同一座標、同一時間に、そういうモノから構成さ > > > れる、全く別の宇宙が存在している可能性もあるわけだ。 > > > > > > ……とはいえ「こちら側」との相互作用が全くない(=観測できない) > > > のなら、それはまあ科学の立場としてはまさに「どっちでもいい」とい > > > う話に落ち着く議論なんだろうけど。 > > > > いや、それが面白い話で、フォトンとは全く、あるいは非常に弱くしか相互作 > > 用しない物質というのはあるわけ。ダークマターもその一種ですが。ニュート > > リノもそうですな。地球ぐらい簡単にすり抜ける。 > > このあたりのものって、エネルギーがある/ないちゅう話になると、 > その(例えばニュートリノが持つ)エネルギー自体が相互作用しないっ > てことになるのかなあ。 > そうだとしたら、相互作用しないエネルギーって、エネルギーの定義 > としてどうよ?という疑問が湧くなあ。 測定可能性と、エネルギーの存在自体はまた別の話なので…。 まあ実際は少しでも相互作用があって、観測できるやつが物理学の対象になる わけなので、心配しなくていいんだと思います。(^^;; ニュートリノも弱いとは言え相互作用するんで(小柴さんのノーベル賞はニュー トリノの観測だったわけだし)、いいんじゃない? > > で、普通そういうのはかなり広い範囲でノッペリと存在しているので太陽系ス > > ケール程度ではどこも一様にあると思われているのだけれど、もしもそういう > > のでできた星とかあったら、重力相互作用はおそらくするであろうと思われる > > ので、「なんや見えないけど引き寄せられる」という状態になるはずです。つ > > まり、重力を介してしか相互作用しないと、重力との相互作用を通じて観測す > > るしかない、と。 > > ををを、なんかSFチックだ! > > となると、引き寄せられる方向はやっぱり1点に向かうことになるの > かな。 連星のようになるんでしょうな。 > 重力相互作用……。うーむ、そういういろんな種類の相互作用がある > のね。 うむ。 突きつめれば、いわゆる4つの相互作用というやつに収斂するのだな(重力、電 磁気力、強い力、弱い力)。 高温では別種だった粒子が同じ粒子になるってのは、高温ではこれらの相互作 用が区別できなくなるというのと関連してます。たとえば温度を上げていくと、 最初に電磁気力と弱い力が合体するんだけど、この時にフォトン(電磁気力を 媒介する粒子でもあるわけだが)と弱い力を媒介する粒子が同じものに化ける。 > この星は結局、宇宙のいろんなゴミをその中心に蓄えていくことにな > るだろうから、見た目はゴミの星になるのかなあ。 どうだろう。そうかもしれない。 でも、エネルギーを捨てないと、いつまでもクルクルまわりをまわるだけだか ら(太陽のまわりを回る地球みたいに)、一部のゴミを遠くに捨てて、残りのゴ ミが中心に向かって落ちるとかいう感じかもしれない。 > > もちろん、どんな相互作用も全くしない物質があれば、あろうがなかろうが > > 「どっちでもいい」ということにはなりますな。 > > だよねえ。 > 霊界もありか?……と思ったが、霊界は幽霊が相互作用するからな。 > (^^; 丹羽○郎とか細○数子とかも相互作用しているらしいからなあ。(^^;; > > > > あと、これはあくまでも背景輻射を構成するフォトンの話で、当然ながら世の > > > > 中いろいろなフォトンがあるのでフォトン全般の話ではないです。念のため。 > > > > > > あれれ、フォトンにもいろいろあるのか……。 > > > > > > ふぎゃ。 > > > > うむ。 > > 編集長氏が発っした赤外線のフォトンもこの世のフォトンの一部をなしておる。 > > むむむ? > > わ、私はそんなもの発しておるのか!? やせて少し減ったかもしれんが、確実にしておるぞよ。 体温程度の波長の光を。 : > > > むむむむ。 > > > わかったようなわからんような、なのだが……。(^^; ってことは、 > > > つまりダークエネルギーと物質のρが同じになる(=平衡になる??) > > > のは現在の宇宙のサイズが現在より少しばかり1/2に近いくらいの大き > > > さあたりである、と? > > > > 平衡ではないのだけど、そのあたりで「たまたま」同じになります。 > > なんでかはよくわからないのだけど、今の宇宙はそうなっているらしい。 > > ああそうか。独立してるもんね。 うむ。 > いいね、この、「なんでかはよくわからないのだけど、今の宇宙はそ > うなっているらしい。」というコメント。 > > 非常に科学的だ。 (^^;; > > > つまり、宇宙はいずれ、少し収縮の方向に向かう? > > > > これが逆で、いまはどんどん加速しながら膨張していってるらしいのだな。 > > ええと、ちょっと前回までの言い方が悪かったのだが、真空のエネルギーは普 > > 通の物質のエネルギーとは違って、斥力として働く。運動方程式を書くと、 > > a = -GM/r^2 + Λr/3 > > という形になる。ここで a は加速度、r は距離、Λは真空のエネルギー密度 > > に比例する量。つまり、Λが non-zero だと、r が大きくなるとどこかで右辺 > > が正になって、宇宙が大きくなればなるほど加速していくということになっちゃ > > うのだ。 > > # インフレーションというやつだな。 > > > > とにかく変なやつなのだ、真空ってやつぁ。(^^;; > > なるほどなあ。 > > 膨張してるのか。 > この式を見る限り、これ以降加速度がマイナスに転じることはなさそ > うな……。 うむ。 なにか真空のエネルギーに変なことが起きて符号が変わるかしないと。 > ちゅか、右辺が正になった瞬間ちゅうのが、ビッグバン? いや、サイズがほぼゼロの状態から膨張がはじまったのがビッグバンで、その 時の加速度は加速でも減速でもどちらでもいいです。 真空のエネルギーは、上の方でいった力や粒子の分岐(別種のものに化けるこ と)と関連していて、化けないといけない温度なんだけど化けきれないような 時によく発生するので、宇宙初期の高温のころに時々真空のエネルギーが発生 します。こういう時だけ加速膨張する。これが普通言うインフレーション。 で、これは本当はまだ実証されてはいない。 現在加速しつつあるってのは、いろんな観測から示唆されていることだけど、 こっちの方は真空のエネルギーの起源がよくわかってません(わかってないと いう意味ではどれもそうなんだけど、素粒子論との関連がまったくわからない)。 > > 理論的に「こういうのがあるかもしれん」とか「ないと困るなあ」という粒子 > > が幾つかあって、そいつらの質量がこれだけあるとダークマターの候補になる > > ぞ(=宇宙の質量の大部分を占めるはずだ)、というんで、そういう粒子を検出 > > しようとしている実験屋さんがいっぱいいるのだ。 > > > > 一応、見つけたいものがあるってことは幸せだね。(^O^) そうかもしれん。(^^;; > > > > たとえば以前は有力候補だったのがニュートリノ。こいつにちょっと質量があ > > > > ると、宇宙背景ニュートリノ輻射の理論計算から、エネルギー密度で支配的に > > > > なるということが言える。しかし、諸々の理由から、ニュートリノでは困ると > > > > いう話になっています(少しだけ質量はあるようだが)。 > > > > > > けっきょくあるんかい。(^^; > > > 質量があるとまずいんでは??? > > > > まずくない程度にある、と。(^^;; > > 宇宙を閉じさせるために必要な質量の数%あるかないかぐらいみたい。まだ実 > > 験的には示唆の段階で、ちゃんとは決まってないようだけど。 > > 宇宙を閉じさせる……? あ、失礼。 やがて収縮に転じる宇宙を閉じた宇宙と言います。 # 定義はほんとは色々ややこしいのだが、そう思ってくれていいです。 閉じているか開いている(ずっと膨張を続ける)かは物質密度の関数なので、真 空のエネルギーゼロの場合に閉じさせるのに必要な最低限の物質密度が現在の 膨張速度からわかります(臨界密度という)。それの何%あるか、という言い方 で物質の量をよく表します。 |
引用が多いから量はたくさんあるけど、新しく書いてるコメントはそれほど多くないんだよね。(^^;
ひえたろう N > > > > > 宇宙の平均温度が -270℃ってのについてですが。 > > > > > これはたぶん、2.7K (K=ケルビン; 絶対温度)の宇宙背景輻射のことを指して > > > > > いると思います。これは宇宙に「充満する光(フォトン)」の温度です。昔はもっ > > > > > と高かった。これはまさに宇宙が膨張しているから、温度が下がっています。 > > > > > > > > あれ? ってことは、「宇宙の平均温度」というのは私の勘違いだっ > > > > たわけですな。あくまで宇宙の「一部」であるフォトンの平均温度って > > > > ことか。 > > > > > > うん。 > > > 解説の人がわかりやすく言おうとしてそんな風に言ったのかもしれんけど。 > > > > いや、そんなにコンつめて聞いてなかったので、私の勘違いかと。 > > > > > ただまあ、太陽の光がこない宇宙空間に物体をほっておけば、やがてはその温 > > > 度には落ち着くでしょうなあ。 > > > > これはつまり、 Background 状態ってことっすか。 > > Background 輻射と平衡になる、ということですな。 > 十分な時間をおけば、平衡になるわけで。平衡かどうかってのは、一つには平 > 衡に落ち着くタイムスケールとの比較の問題でもあるわけです。 結局、「太陽の光がこない宇宙空間」の物体に干渉するというかシン クロするというか、相互作用?をするものが、「充満する光(フォトン)」 しかない(=だから平衡状態に向かう)ってことになるのかな。 > > > > しかし「宇宙背景輻射」って、なんか奇妙な名前ですなあ。(^-^; > > > > > > そうかな。(^^;; > > > 慣れてしまったのか、違和感がない。 > > > Cosmic Background Radiation ですな。 > > > > 「輻射」がね。 > > > > だいたい、読めんよ。:-p > > (^^;; そうかも。「フクシャ」です。 > 昔々は輻射で、その後しばらくは「輻」の字が当用漢字だかなんかの表にないっ > てんで、教科書では「放射」と言ってました。10年ぐらい前?から解禁になっ > て、輻射が復活しつつあるけど放射という人もいるし、他の単語の組み合わせ > で放射の方がしっくりくる場合もあったりして、複雑です。 > 研究者にしてみれば、結局 Radiation が一番しっくりくるのかもし れませんな。よくある話で。(^^; > > > > > この輻射は、宇宙初期に物質が宇宙全体で熱平衡状態にあったものの名残りです。 > > > > > 今は平衡状態ではないのだけれど、ほとんどのフォトンが遮られずに地球にま > > > > > で到達するので、一様に温度が下がったように見えて観測されます。 「遮られず」ってのは、「何とも相互作用せず」ってことかな? > > > > > > > > なななんと。☆_☆ 平衡状態じゃないのか。 > > > > しかし同じ「平衡状態ではない」にしても、初めは平衡状態で今は違 > > > > うってのが、なんとも奇妙ですなあ。(^^; > > > > そういう臨界点があるとか、そういうことですかねえ。 > > > > > > 物質の状態と密度の違いによります。 > > > 宇宙初期は高温のため全部イオン化されていて、陽子と電子がバラバラになっ > > > ています。 よく見てみると……。てことはあれかい、宇宙初期には素粒子レベル の存在は陽子、電子、あるいはイオンの姿をしてしか存在しなかったっ てことかいな。 > > > そういう電荷を持った粒子とフォトンは相互作用しやすいので、フ > > > ォトンはすぐに物質にぶつかってしまい、やがて平衡状態に達します。 > > > 温度が下がってくると、電子は陽子につかまって中性粒子になります(再結合 > > > という; 宇宙の歴史では最初の結合なのだが、なぜか再結合ということになっ > > > てる。recombination)。そうすると、フォトンはぶつかるものがいなくなって > > > まっすぐ進むようになり、フォトンと物質の相互作用が切れてお互いが勝手な > > > 進化をはじめるわけ。 > > > > 「進化」ってのがステキな表現だね。 > > > > つまり、平衡状態になるほどに密接な相互作用がなくなっちゃったっ > > てわけだ。 > > そう、そういうことです。 > > > 結局、フォトンと物質というのは、現在は「独立」してると考えてい > > いのかな。 > > 背景輻射のフォトンとはほぼ独立してると思っていいです。 > ごく一部が途中の物質と散乱されて、それを観測することでいろんなことがわ > かったりもするんだけど、逆に言うと圧倒的大多数の背景輻射のフォトンは独 > 立してると思っていいです。 > # ついでに言えば、完全には独立してないから観測できる=観測装置と相互作 > # 用がある、わけだけど。 この「 # ついでに言えば、」ってコメントは、ついでどころか、と てもよくわかる補足でございました。 なるほどなあ。 ってことは、まあ「背景輻射のフォトン」ってのは「かろうじて」観 測できてるわけだよねえ。 てことは、きっと「完全に独立」してる物質……というかモノという か、そういうのが存在する可能性はあるんでしょうな。確認できないだ ろうけど。 つまり、この宇宙の同一座標、同一時間に、そういうモノから構成さ れる、全く別の宇宙が存在している可能性もあるわけだ。 ……とはいえ「こちら側」との相互作用が全くない(=観測できない) のなら、それはまあ科学の立場としてはまさに「どっちでもいい」とい う話に落ち着く議論なんだろうけど。 > > あと、これはあくまでも背景輻射を構成するフォトンの話で、当然ながら世の > 中いろいろなフォトンがあるのでフォトン全般の話ではないです。念のため。 あれれ、フォトンにもいろいろあるのか……。 ふぎゃ。 > > > > もっと温度が下がってくると、別な理由でまたイオン化されるんだけど(これ > > > はまだなぜかはよくわかっていない; たぶん出来たての銀河が UV 光をガンガ > > > ン出してイオン化したか、クェーサーなどの特異天体による UV かなんかによ > > > ると思われている)、こんどは物質の密度がスカスカすぎて、フォトンはほと > > > んどぶつからなくなります。 > > > > > > > > ちなみにどう下がるかというと、宇宙のサイズ(二点離れたところにそっ > > > > > と置いた物体同士が宇宙の膨張のみによって離れていく距離と思ってくだ > > > > > さい)に反比例します。 あれれ、距離に反比例? 体積でなく。 > > > > > > > > > > 宇宙の場合の問題は、いろんな温度のものが混在していること。たとえば > > > > > ガス(水素とかヘリウムとか)の宇宙の平均温度は、実はめちゃめちゃ高く > > > > > て、10^7K 程度と言われています。高温のガスがあるところから出るフォ > > > > > トンはもちろん高温で、X線とかで観測される。太陽の周囲のガスだと、 > > > > > 10K~10^4K ぐらいのものが混在している。エネルギー密度ってことでい > > > > > うと、2.7Kの宇宙背景輻射が必ずしも支配的ってわけではないのだな。 > > > > > > > > うーん。つまりはトータルでの宇宙の平均温度ってのはそれらをみん > > > > な総合して考えねばならんと。 > > > > > > そう。 > > > なにを見たいか、というのを最初に設定してあげないと、ね。 > > > 宇宙のエネルギー密度の指標としての平均温度を見たいのか、宇宙の進化の名 > > > 残を理解するために宇宙背景輻射の温度を見たいのか、物質の進化を見るため > > > にガスの平均温度を見たいのか、とか。 > > > > なるほど。 > > > > ちなみに「宇宙のエネルギー密度の指標としての平均温度」ってどの > > くらいなの? > > > > それってやっぱり低くなって行ってるのだろうか。 > > 温度は定義によるのでなんとも言えないのだけど、 > > 宇宙の平均密度は、だいたい > 0.3 x 1.9x10^(-29) / 0.7^2 [g/cm^3] > ぐらいですが(なぜ幾つも数値を掛けているかは業界事情による^^;;)、エネル > ギー密度に直すと光速の自乗、 c^2 をかければよいので大体 > ρc^2 = 1 x 10^(-8) [erg/cm^3] > ぐらいになる。 > > 全部フォトンだと思うと、Stefan-Boltzmann u(エネルギー密度)=aT^4 より > T = (u/a)^(1/4) = (10^(-8)/(8x10^(-15)))^(1/4) = 10^(6/4) = 30 [K] > ぐらい。 > > あくまでもこれはフォトンだと思うと、という値で、エネルギー密度と温度の > 関係はちょっと難しいです。温度は Boltzmann 定数 k をかけてエネルギーに > なる量なので、エネルギーとエネルギー密度の関係を与えてやらないと。 このあたり、頭では温度とエネルギー密度ってのはほぼイコールだと 思っていたんだけど、必ずしもそうではないってことですな。 あああああ世の中って。 > > で進化の方ですが、それがいろいろ議論のあるところなのですが、現在のとこ > ろ、ほぼ一定に落ち着きつつあるのではないか、と思われてます。というのは、 > そのダークエネルギーってのの密度がもっとも大きくなってると思われてるの > で。 > > 宇宙のサイズの指標を a とすると、前回言ったように、エネルギー密度ρは > > ・輻射(フォトン) ρ∝1/a^4 > ・普通の物質、ダークマター ρ∝1/a^3 (体積に反比例) > ・ダークエネルギー ρ=const. (あるいは a が大きくなると共に少しづつ下 > がるというモデルもある) > > となってます。現在の理解では、現在を a=1 となるように物差しを設定すると、 > > ・a=1/10^4 で輻射のρ=物質のρ(これ以降、物質のρが卓越) > ・a=1/10^3 で背景輻射が独立になる(再結合) > > です(つまり、空間が現在の1万分の1、千分の1の時代)。 > ダークエネルギーと物質のρが同じになるのは a=1/2 よりも現在に近いぐら > いと思ってよさそうな雰囲気です。 むむむむ。 わかったようなわからんような、なのだが……。(^^; ってことは、 つまりダークエネルギーと物質のρが同じになる(=平衡になる??) のは現在の宇宙のサイズが現在より少しばかり1/2に近いくらいの大き さあたりである、と? つまり、宇宙はいずれ、少し収縮の方向に向かう? > > > > > > ちなみに、宇宙背景輻射と同様に、宇宙背景ニュートリノっちゅーのもあ > > > > > って、こちらはもう少し温度が低いです。熱平衡から脱した時代がちょっ > > > > > と早かったもので。 > > > > > > > > > > で、宇宙背景輻射と宇宙がこの先どうなるかってことは、その通り関係し > > > > > ています。ただし、この宇宙背景輻射(現在2.7Kの)の温度がどうなるかは > > > > > 結果で、原因は宇宙が膨張するか収縮するかになります。上で書いたよう > > > > > に、温度はサイズに反比例するので。 > > > > > > > > > > 宇宙が膨張しつづけるかどうかは、内部のエネルギーがどれだけあるかに > > > > > よるわけですが、必ずしも(グローバルな)エネルギー保存則が成り立つわ > > > > > けではないです。 > > > > > > > > うへえええええええええええええ。 > > > > そういう気もしていたが、やはりそうなのか……。 > > > > > > うむ。そうなのだ。 > > > ただ、普通の物質については保存則がなりたってると思っていいです。 > > > ちなみに局所的には、当然常にエネルギー保存則が成り立っています。 > > > # というか、そうだとして話を進めるわけだが。 > > > > なるほど。そのあたりが物理学の魅惑的なところだのう。(^O^) > > > > 結局、内部のエネルギーがどれだけあれば宇宙が膨張/ある時点で収 > > 縮に転じるってのが決まるってラインがあるわけ? > > そう、その通り。critical density と呼ばれていて、現在で言うなら 1.9 x > 10^(-29) / h^2 [g/cm^3] です。h は Hubble 定数で、今の推奨値は 0.7 ぐ > らい。これより密度が高いといずれ収縮に転じます。 > > ちなみに、銀河になってるようなところは、局所的に密度が高いところなわけ > だけど、これは見方によっては局所的に収縮に転じた宇宙と思ってもらっても > いいです。 をををを。 > > > > > > というのは、たとえば「真空のエネルギー」なるものがもっともエネ > > > > > ルギー密度が大きいと思われていますが(最近はダークエネルギーとかか > > > > > っこつけて言われている)、これはいわば空間の属性みたいなものなので、 > > > > > 膨張すればするほど、体積に比例してエネルギーが増えることになります。 > > > > > > > > むむむむむ。 > > > > そういうのもエネルギーなんすか。 > > > > > > そうなんですよ、困ったもんだ。 > > > > なんか、詐欺みたいだよな。(^^; > > > > 言い切ったら勝ちかよ、みたいな。 > > まあ声のデカイやつが物事を決めるのはどこでも…。(^^;; > > ただまあ、真空のエネルギーというやつは実際あるので、それ自体はいいんで > すが、問題はどういう性質のものが宇宙で支配的か、ってことがわからんこと > ですな。 > > > > > > 真空のエネルギーに次いで密度が高いのはダークマターですが > > > > > # 宇宙のエネルギーの 96% は「ダーク」なもので占められているらしい。(^^;; > > > > > # 水素などのよく知っている物質は4%。 > > > > > # フォトンは無視できます。 > > > > > > > > ん? フォトンが無視できるのは量的に?エネルギー的に? > > > > > > エネルギー的に、です。 > > > 物質の場合は密度x光速^2 でエネルギー密度になるし、フォトンの場合は温度 > > > ^4 がエネルギー密度に比例するので、それで比較できます。 そうなのか……。 > > > > あららららら。 > > > > てぇことは、トータルな「宇宙の平均温度」ってのは、2.7Kとは相当 > > 違う値になりそうですなあ。 > > エネルギー密度で比較すると、上で書いたように > ・フォトン: 8x10^(-15) x (2.7)^4 = 4x10^(-13) [erg/cm^3] > ・物質密度: 1x10^(-8) [erg/cm^3] > ってなわけで、圧倒的にフォトンの方が低いことになりますな。 > > > > > > これは振舞いとしては普通の物質に近く、「物」というか「ツブツブ」と > > > > > いうか、まあそんなものと思って大体よいです。なので、膨張しても宇宙 > > > > > に含まれる全ダークマターの量は変わりません。 > > > > > > > > うむぅ……。 > > > > ちゅうことはダークマターさんは、原子などでは構成されていないに > > > > も拘わらず、そういう物質のような働きをすると?? > > > > > > > > わけわからんす。(^^;; > > > > > > うむ、わからんのだ。(^^;; > > > > (^^;;;;; > > > > > ただ、まあなんらかの粒子ではあると思っています。候補になってる素粒子は > > > 幾つかあって(アキシオンとかニュートラリーノとか)、実験屋さんが必死に探 > > > してます。 > > > 普通の原子とは違うけど、素粒子ではあるであろう、と。 > > > > ちゅうことは、なんだ、要は、「素粒子が原子と同じような振る舞い > > をしますよ」ってことかい? > > > > ???? > > > > うむむ。 > > > > 探してるってことは見つかってないってことだよなあ。 > > なのに「振舞いとしては普通の物質に近」いってことがわかってるの > > は、ダークマターってのは観測したものじゃないってことかい。 > > ええと、原子はある素粒子の複合体であるわけです。陽子、中性子、電子。陽 > 子や中性子はクォークなどというさらに細かいレベルの素粒子に分解可能。 > で、ダークマターになってるのは、そういう原子を構成するのではない、別の > 素粒子であろうと考えられています。 なるほどなるほど。 てことは、陽子、中性子などを構成する素粒子では「ない」素粒子が あり、それが単体で存在するか、それとも陽子、中性子に相当するよう な何かを構成するかもわからないけど(わかってるのかな?)、それは 私たちが知ってるいわゆる「普通の物質」とは呼べんだろう、振る舞い は似てるけど……ってことなのかなあ。 > たとえば以前は有力候補だったのがニュートリノ。こいつにちょっと質量があ > ると、宇宙背景ニュートリノ輻射の理論計算から、エネルギー密度で支配的に > なるということが言える。しかし、諸々の理由から、ニュートリノでは困ると > いう話になっています(少しだけ質量はあるようだが)。 けっきょくあるんかい。(^^; 質量があるとまずいんでは??? |
ひえたろう N > > > > > > 宇宙の平均温度が -270℃ってのについてですが。 > > > > > > これはたぶん、2.7K (K=ケルビン; 絶対温度)の宇宙背景輻射のことを指して > > > > > > いると思います。これは宇宙に「充満する光(フォトン)」の温度です。昔はもっ > > > > > > と高かった。これはまさに宇宙が膨張しているから、温度が下がっています。 > > > > > > > > > > あれ? ってことは、「宇宙の平均温度」というのは私の勘違いだっ > > > > > たわけですな。あくまで宇宙の「一部」であるフォトンの平均温度って > > > > > ことか。 > > > > > > > > うん。 > > > > 解説の人がわかりやすく言おうとしてそんな風に言ったのかもしれんけど。 > > > > > > いや、そんなにコンつめて聞いてなかったので、私の勘違いかと。 > > > > > > > ただまあ、太陽の光がこない宇宙空間に物体をほっておけば、やがてはその温 > > > > 度には落ち着くでしょうなあ。 > > > > > > これはつまり、 Background 状態ってことっすか。 > > > > Background 輻射と平衡になる、ということですな。 > > 十分な時間をおけば、平衡になるわけで。平衡かどうかってのは、一つには平 > > 衡に落ち着くタイムスケールとの比較の問題でもあるわけです。 > > 結局、「太陽の光がこない宇宙空間」の物体に干渉するというかシン > クロするというか、相互作用?をするものが、「充満する光(フォトン)」 > しかない(=だから平衡状態に向かう)ってことになるのかな。 ええと、そうですね。 近くにもっと強い輻射源とかエネルギー源の類があれば、そっちの影響を受け るでしょうけど、そういうのがなければ background radiation しかないわけ で。そういう状態だと、やがて(時間はかかるが) 2.7K に落ち着くはずです。 > > > > > しかし「宇宙背景輻射」って、なんか奇妙な名前ですなあ。(^-^; > > > > > > > > そうかな。(^^;; > > > > 慣れてしまったのか、違和感がない。 > > > > Cosmic Background Radiation ですな。 > > > > > > 「輻射」がね。 > > > > > > だいたい、読めんよ。:-p > > > > (^^;; そうかも。「フクシャ」です。 > > 昔々は輻射で、その後しばらくは「輻」の字が当用漢字だかなんかの表にないっ > > てんで、教科書では「放射」と言ってました。10年ぐらい前?から解禁になっ > > て、輻射が復活しつつあるけど放射という人もいるし、他の単語の組み合わせ > > で放射の方がしっくりくる場合もあったりして、複雑です。 > > > > 研究者にしてみれば、結局 Radiation が一番しっくりくるのかもし > れませんな。よくある話で。(^^; しかし、radiation は長くていいにくいので、輻射、放射ということもよくあっ たりする。(^^;; あと、background radiation の場合は、radiation がそもそも省略される場 合が多い。Cosmic Microwave Background とか(2.7K ってのは microwave に あるのでこう言われます)。略称 CMB。 ちなみに他の波長での背景輻射ってのはあって(黒体輻射ではないのだけど)、 X-ray だったら CXB とか呼ばれます。コイツらはだいたい天体起源で、観測 の空間分解能が上がるにつれて具体的にどこから来ているかが明らかになって きます。昔の観測ではボヤけてノッペリとやってくるように見えてたのが、シャー プに見えるようになると「この銀河から来ている」とかわかるようになる。 > > > > > > この輻射は、宇宙初期に物質が宇宙全体で熱平衡状態にあったものの名残りです。 > > > > > > 今は平衡状態ではないのだけれど、ほとんどのフォトンが遮られずに地球にま > > > > > > で到達するので、一様に温度が下がったように見えて観測されます。 > > 「遮られず」ってのは、「何とも相互作用せず」ってことかな? そうです。 > > > > > > > > > > なななんと。☆_☆ 平衡状態じゃないのか。 > > > > > しかし同じ「平衡状態ではない」にしても、初めは平衡状態で今は違 > > > > > うってのが、なんとも奇妙ですなあ。(^^; > > > > > そういう臨界点があるとか、そういうことですかねえ。 > > > > > > > > 物質の状態と密度の違いによります。 > > > > 宇宙初期は高温のため全部イオン化されていて、陽子と電子がバラバラになっ > > > > ています。 > > よく見てみると……。てことはあれかい、宇宙初期には素粒子レベル > の存在は陽子、電子、あるいはイオンの姿をしてしか存在しなかったっ > てことかいな。 いや、「素粒子」というともっと種類はあって、例えばフォトンは素粒子の一 つだし、陽子内の相互作用をになう素粒子はいろいろある(Z粒子とかW粒子と か)。重力子ってのも存在は確認されていないがあるでしょうな。ただ、地球 や我々の体を構成するような原子はイオン化されちゃってる、ということです。 さらにいうと、もっともっと初期にさかのぼると、あまりに高温のため陽子も 存在できず、陽子を構成するクォークがバラけてしまう。もっと高温だと、低 温では別種の粒子になってたものが同じ粒子になったりする。 > > > > そういう電荷を持った粒子とフォトンは相互作用しやすいので、フ > > > > ォトンはすぐに物質にぶつかってしまい、やがて平衡状態に達します。 > > > > 温度が下がってくると、電子は陽子につかまって中性粒子になります(再結合 > > > > という; 宇宙の歴史では最初の結合なのだが、なぜか再結合ということになっ > > > > てる。recombination)。そうすると、フォトンはぶつかるものがいなくなって > > > > まっすぐ進むようになり、フォトンと物質の相互作用が切れてお互いが勝手な > > > > 進化をはじめるわけ。 > > > > > > 「進化」ってのがステキな表現だね。 > > > > > > つまり、平衡状態になるほどに密接な相互作用がなくなっちゃったっ > > > てわけだ。 > > > > そう、そういうことです。 > > > > > 結局、フォトンと物質というのは、現在は「独立」してると考えてい > > > いのかな。 > > > > 背景輻射のフォトンとはほぼ独立してると思っていいです。 > > ごく一部が途中の物質と散乱されて、それを観測することでいろんなことがわ > > かったりもするんだけど、逆に言うと圧倒的大多数の背景輻射のフォトンは独 > > 立してると思っていいです。 > > # ついでに言えば、完全には独立してないから観測できる=観測装置と相互作 > > # 用がある、わけだけど。 > > この「 # ついでに言えば、」ってコメントは、ついでどころか、と > てもよくわかる補足でございました。 > > なるほどなあ。 さらについでに言うと、これが「透明人間になるとものが見えなくなる」とい う話につながります。透明人間がものを見ることができたら、その見ている目 は光と反応していることになるので、透明ではないだろう、と。 > ってことは、まあ「背景輻射のフォトン」ってのは「かろうじて」観 > 測できてるわけだよねえ。 > てことは、きっと「完全に独立」してる物質……というかモノという > か、そういうのが存在する可能性はあるんでしょうな。確認できないだ > ろうけど。 > つまり、この宇宙の同一座標、同一時間に、そういうモノから構成さ > れる、全く別の宇宙が存在している可能性もあるわけだ。 > > ……とはいえ「こちら側」との相互作用が全くない(=観測できない) > のなら、それはまあ科学の立場としてはまさに「どっちでもいい」とい > う話に落ち着く議論なんだろうけど。 いや、それが面白い話で、フォトンとは全く、あるいは非常に弱くしか相互作 用しない物質というのはあるわけ。ダークマターもその一種ですが。ニュート リノもそうですな。地球ぐらい簡単にすり抜ける。 で、普通そういうのはかなり広い範囲でノッペリと存在しているので太陽系ス ケール程度ではどこも一様にあると思われているのだけれど、もしもそういう のでできた星とかあったら、重力相互作用はおそらくするであろうと思われる ので、「なんや見えないけど引き寄せられる」という状態になるはずです。つ まり、重力を介してしか相互作用しないと、重力との相互作用を通じて観測す るしかない、と。 もちろん、どんな相互作用も全くしない物質があれば、あろうがなかろうが 「どっちでもいい」ということにはなりますな。 > > あと、これはあくまでも背景輻射を構成するフォトンの話で、当然ながら世の > > 中いろいろなフォトンがあるのでフォトン全般の話ではないです。念のため。 > > あれれ、フォトンにもいろいろあるのか……。 > > ふぎゃ。 うむ。 編集長氏が発っした赤外線のフォトンもこの世のフォトンの一部をなしておる。 > > > > もっと温度が下がってくると、別な理由でまたイオン化されるんだけど(これ > > > > はまだなぜかはよくわかっていない; たぶん出来たての銀河が UV 光をガンガ > > > > ン出してイオン化したか、クェーサーなどの特異天体による UV かなんかによ > > > > ると思われている)、こんどは物質の密度がスカスカすぎて、フォトンはほと > > > > んどぶつからなくなります。 > > > > > > > > > > ちなみにどう下がるかというと、宇宙のサイズ(二点離れたところにそっ > > > > > > と置いた物体同士が宇宙の膨張のみによって離れていく距離と思ってくだ > > > > > > さい)に反比例します。 > > あれれ、距離に反比例? 体積でなく。 温度はそうです。 エネルギー密度は距離の4乗ですが。 どういうことかというと、フォトンの個数密度は体積に反比例し、個々のフォ トンのエネルギーがドップラー効果で距離に反比例して落ちるので、 エネルギー密度 = 個数密度 x 個々のエネルギー ということで温度は距離の1乗、エネルギー密度は4乗に反比例、ということに なります。 > > > ちなみに「宇宙のエネルギー密度の指標としての平均温度」ってどの : > このあたり、頭では温度とエネルギー密度ってのはほぼイコールだと > 思っていたんだけど、必ずしもそうではないってことですな。 > > あああああ世の中って。 民営化すればカタがつくほど単純ではないのだ。(^^;; > > で進化の方ですが、それがいろいろ議論のあるところなのですが、現在のとこ > > ろ、ほぼ一定に落ち着きつつあるのではないか、と思われてます。というのは、 > > そのダークエネルギーってのの密度がもっとも大きくなってると思われてるの > > で。 > > > > 宇宙のサイズの指標を a とすると、前回言ったように、エネルギー密度ρは > > > > ・輻射(フォトン) ρ∝1/a^4 > > ・普通の物質、ダークマター ρ∝1/a^3 (体積に反比例) > > ・ダークエネルギー ρ=const. (あるいは a が大きくなると共に少しづつ下 > > がるというモデルもある) > > > > となってます。現在の理解では、現在を a=1 となるように物差しを設定すると、 > > > > ・a=1/10^4 で輻射のρ=物質のρ(これ以降、物質のρが卓越) > > ・a=1/10^3 で背景輻射が独立になる(再結合) > > > > です(つまり、空間が現在の1万分の1、千分の1の時代)。 > > ダークエネルギーと物質のρが同じになるのは a=1/2 よりも現在に近いぐら > > いと思ってよさそうな雰囲気です。 > > むむむむ。 > わかったようなわからんような、なのだが……。(^^; ってことは、 > つまりダークエネルギーと物質のρが同じになる(=平衡になる??) > のは現在の宇宙のサイズが現在より少しばかり1/2に近いくらいの大き > さあたりである、と? 平衡ではないのだけど、そのあたりで「たまたま」同じになります。 なんでかはよくわからないのだけど、今の宇宙はそうなっているらしい。 > つまり、宇宙はいずれ、少し収縮の方向に向かう? これが逆で、いまはどんどん加速しながら膨張していってるらしいのだな。 ええと、ちょっと前回までの言い方が悪かったのだが、真空のエネルギーは普 通の物質のエネルギーとは違って、斥力として働く。運動方程式を書くと、 a = -GM/r^2 + Λr/3 という形になる。ここで a は加速度、r は距離、Λは真空のエネルギー密度 に比例する量。つまり、Λが non-zero だと、r が大きくなるとどこかで右辺 が正になって、宇宙が大きくなればなるほど加速していくということになっちゃ うのだ。 # インフレーションというやつだな。 とにかく変なやつなのだ、真空ってやつぁ。(^^;; > > > 探してるってことは見つかってないってことだよなあ。 > > > なのに「振舞いとしては普通の物質に近」いってことがわかってるの > > > は、ダークマターってのは観測したものじゃないってことかい。 > > > > ええと、原子はある素粒子の複合体であるわけです。陽子、中性子、電子。陽 > > 子や中性子はクォークなどというさらに細かいレベルの素粒子に分解可能。 > > で、ダークマターになってるのは、そういう原子を構成するのではない、別の > > 素粒子であろうと考えられています。 > > なるほどなるほど。 > > てことは、陽子、中性子などを構成する素粒子では「ない」素粒子が > あり、それが単体で存在するか、それとも陽子、中性子に相当するよう > な何かを構成するかもわからないけど(わかってるのかな?)、それは > 私たちが知ってるいわゆる「普通の物質」とは呼べんだろう、振る舞い > は似てるけど……ってことなのかなあ。 まあそう思ってもらっていいと思います。 ただまあ単体では存在してるんだと思う。複合体になってるってことは相互作 用が強いってことで、それだったら何らかの観測にひっかかってるだろうから。 理論的に「こういうのがあるかもしれん」とか「ないと困るなあ」という粒子 が幾つかあって、そいつらの質量がこれだけあるとダークマターの候補になる ぞ(=宇宙の質量の大部分を占めるはずだ)、というんで、そういう粒子を検出 しようとしている実験屋さんがいっぱいいるのだ。 > > たとえば以前は有力候補だったのがニュートリノ。こいつにちょっと質量があ > > ると、宇宙背景ニュートリノ輻射の理論計算から、エネルギー密度で支配的に > > なるということが言える。しかし、諸々の理由から、ニュートリノでは困ると > > いう話になっています(少しだけ質量はあるようだが)。 > > けっきょくあるんかい。(^^; > 質量があるとまずいんでは??? まずくない程度にある、と。(^^;; 宇宙を閉じさせるために必要な質量の数%あるかないかぐらいみたい。まだ実 験的には示唆の段階で、ちゃんとは決まってないようだけど。 |
ひえたろう N
> > > 宇宙の平均温度が -270℃ってのについてですが。 > > > これはたぶん、2.7K (K=ケルビン; 絶対温度)の宇宙背景輻射のことを指して > > > いると思います。これは宇宙に「充満する光(フォトン)」の温度です。昔はもっ > > > と高かった。これはまさに宇宙が膨張しているから、温度が下がっています。 > > > > あれ? ってことは、「宇宙の平均温度」というのは私の勘違いだっ > > たわけですな。あくまで宇宙の「一部」であるフォトンの平均温度って > > ことか。 > > うん。 > 解説の人がわかりやすく言おうとしてそんな風に言ったのかもしれんけど。 いや、そんなにコンつめて聞いてなかったので、私の勘違いかと。 > ただまあ、太陽の光がこない宇宙空間に物体をほっておけば、やがてはその温 > 度には落ち着くでしょうなあ。 これはつまり、 Background 状態ってことっすか。 > > しかし「宇宙背景輻射」って、なんか奇妙な名前ですなあ。(^-^; > > そうかな。(^^;; > 慣れてしまったのか、違和感がない。 > Cosmic Background Radiation ですな。 「輻射」がね。 だいたい、読めんよ。:-p > > > この輻射は、宇宙初期に物質が宇宙全体で熱平衡状態にあったものの名残りです。 > > > 今は平衡状態ではないのだけれど、ほとんどのフォトンが遮られずに地球にま > > > で到達するので、一様に温度が下がったように見えて観測されます。 > > > > なななんと。☆_☆ 平衡状態じゃないのか。 > > しかし同じ「平衡状態ではない」にしても、初めは平衡状態で今は違 > > うってのが、なんとも奇妙ですなあ。(^^; > > そういう臨界点があるとか、そういうことですかねえ。 > > 物質の状態と密度の違いによります。 > 宇宙初期は高温のため全部イオン化されていて、陽子と電子がバラバラになっ > ています。そういう電荷を持った粒子とフォトンは相互作用しやすいので、フ > ォトンはすぐに物質にぶつかってしまい、やがて平衡状態に達します。 > 温度が下がってくると、電子は陽子につかまって中性粒子になります(再結合 > という; 宇宙の歴史では最初の結合なのだが、なぜか再結合ということになっ > てる。recombination)。そうすると、フォトンはぶつかるものがいなくなって > まっすぐ進むようになり、フォトンと物質の相互作用が切れてお互いが勝手な > 進化をはじめるわけ。 「進化」ってのがステキな表現だね。 つまり、平衡状態になるほどに密接な相互作用がなくなっちゃったっ てわけだ。 結局、フォトンと物質というのは、現在は「独立」してると考えてい いのかな。 > もっと温度が下がってくると、別な理由でまたイオン化されるんだけど(これ > はまだなぜかはよくわかっていない; たぶん出来たての銀河が UV 光をガンガ > ン出してイオン化したか、クェーサーなどの特異天体による UV かなんかによ > ると思われている)、こんどは物質の密度がスカスカすぎて、フォトンはほと > んどぶつからなくなります。 > > > > ちなみにどう下がるかというと、宇宙のサイズ(二点離れたところにそっ > > > と置いた物体同士が宇宙の膨張のみによって離れていく距離と思ってくだ > > > さい)に反比例します。 > > > > > > 宇宙の場合の問題は、いろんな温度のものが混在していること。たとえば > > > ガス(水素とかヘリウムとか)の宇宙の平均温度は、実はめちゃめちゃ高く > > > て、10^7K 程度と言われています。高温のガスがあるところから出るフォ > > > トンはもちろん高温で、X線とかで観測される。太陽の周囲のガスだと、 > > > 10K~10^4K ぐらいのものが混在している。エネルギー密度ってことでい > > > うと、2.7Kの宇宙背景輻射が必ずしも支配的ってわけではないのだな。 > > > > うーん。つまりはトータルでの宇宙の平均温度ってのはそれらをみん > > な総合して考えねばならんと。 > > そう。 > なにを見たいか、というのを最初に設定してあげないと、ね。 > 宇宙のエネルギー密度の指標としての平均温度を見たいのか、宇宙の進化の名 > 残を理解するために宇宙背景輻射の温度を見たいのか、物質の進化を見るため > にガスの平均温度を見たいのか、とか。 なるほど。 ちなみに「宇宙のエネルギー密度の指標としての平均温度」ってどの くらいなの? それってやっぱり低くなって行ってるのだろうか。 > > > ちなみに、宇宙背景輻射と同様に、宇宙背景ニュートリノっちゅーのもあ > > > って、こちらはもう少し温度が低いです。熱平衡から脱した時代がちょっ > > > と早かったもので。 > > > > > > で、宇宙背景輻射と宇宙がこの先どうなるかってことは、その通り関係し > > > ています。ただし、この宇宙背景輻射(現在2.7Kの)の温度がどうなるかは > > > 結果で、原因は宇宙が膨張するか収縮するかになります。上で書いたよう > > > に、温度はサイズに反比例するので。 > > > > > > 宇宙が膨張しつづけるかどうかは、内部のエネルギーがどれだけあるかに > > > よるわけですが、必ずしも(グローバルな)エネルギー保存則が成り立つわ > > > けではないです。 > > > > うへえええええええええええええ。 > > そういう気もしていたが、やはりそうなのか……。 > > うむ。そうなのだ。 > ただ、普通の物質については保存則がなりたってると思っていいです。 > ちなみに局所的には、当然常にエネルギー保存則が成り立っています。 > # というか、そうだとして話を進めるわけだが。 なるほど。そのあたりが物理学の魅惑的なところだのう。(^O^) 結局、内部のエネルギーがどれだけあれ、宇宙が膨張/ある時点で収 縮に転じるってのが決まるってラインがあるわけ? > > > というのは、たとえば「真空のエネルギー」なるものがもっともエネ > > > ルギー密度が大きいと思われていますが(最近はダークエネルギーとかか > > > っこつけて言われている)、これはいわば空間の属性みたいなものなので、 > > > 膨張すればするほど、体積に比例してエネルギーが増えることになります。 > > > > むむむむむ。 > > そういうのもエネルギーなんすか。 > > そうなんですよ、困ったもんだ。 なんか、詐欺みたいだよな。(^^; 言い切ったら勝ちかよ、みたいな。 > > > 真空のエネルギーに次いで密度が高いのはダークマターですが > > > # 宇宙のエネルギーの 96% は「ダーク」なもので占められているらしい。(^^;; > > > # 水素などのよく知っている物質は4%。 > > > # フォトンは無視できます。 > > > > ん? フォトンが無視できるのは量的に?エネルギー的に? > > エネルギー的に、です。 > 物質の場合は密度x光速^2 でエネルギー密度になるし、フォトンの場合は温度 > ^4 がエネルギー密度に比例するので、それで比較できます。 あららららら。 てぇことは、トータルな「宇宙の平均温度」ってのは、2.7Kとは相当 違う値になりそうですなあ。 > > > これは振舞いとしては普通の物質に近く、「物」というか「ツブツブ」と > > > いうか、まあそんなものと思って大体よいです。なので、膨張しても宇宙 > > > に含まれる全ダークマターの量は変わりません。 > > > > うむぅ……。 > > ちゅうことはダークマターさんは、原子などでは構成されていないに > > も拘わらず、そういう物質のような働きをすると?? > > > > わけわからんす。(^^;; > > うむ、わからんのだ。(^^;; (^^;;;;; > ただ、まあなんらかの粒子ではあると思っています。候補になってる素粒子は > 幾つかあって(アキシオンとかニュートラリーノとか)、実験屋さんが必死に探 > してます。 > 普通の原子とは違うけど、素粒子ではあるであろう、と。 ちゅうことは、なんだ、要は、「素粒子が原子と同じような振る舞い をしますよ」ってことかい? ???? うむむ。 探してるってことは見つかってないってことだよなあ。 なのに「振舞いとしては普通の物質に近」いってことがわかってるの は、ダークマターってのは観測したものじゃないってことかい。 > # ミニブラックホールである、という話もあるのだけど。 げ。 |
ひえたろう N
> > > > 宇宙の平均温度が -270℃ってのについてですが。 > > > > これはたぶん、2.7K (K=ケルビン; 絶対温度)の宇宙背景輻射のことを指して > > > > いると思います。これは宇宙に「充満する光(フォトン)」の温度です。昔はもっ > > > > と高かった。これはまさに宇宙が膨張しているから、温度が下がっています。 > > > > > > あれ? ってことは、「宇宙の平均温度」というのは私の勘違いだっ > > > たわけですな。あくまで宇宙の「一部」であるフォトンの平均温度って > > > ことか。 > > > > うん。 > > 解説の人がわかりやすく言おうとしてそんな風に言ったのかもしれんけど。 > > いや、そんなにコンつめて聞いてなかったので、私の勘違いかと。 > > > ただまあ、太陽の光がこない宇宙空間に物体をほっておけば、やがてはその温 > > 度には落ち着くでしょうなあ。 > > これはつまり、 Background 状態ってことっすか。 Background 輻射と平衡になる、ということですな。 十分な時間をおけば、平衡になるわけで。平衡かどうかってのは、一つには平 衡に落ち着くタイムスケールとの比較の問題でもあるわけです。 > > > しかし「宇宙背景輻射」って、なんか奇妙な名前ですなあ。(^-^; > > > > そうかな。(^^;; > > 慣れてしまったのか、違和感がない。 > > Cosmic Background Radiation ですな。 > > 「輻射」がね。 > > だいたい、読めんよ。:-p (^^;; そうかも。「フクシャ」です。 昔々は輻射で、その後しばらくは「輻」の字が当用漢字だかなんかの表にないっ てんで、教科書では「放射」と言ってました。10年ぐらい前?から解禁になっ て、輻射が復活しつつあるけど放射という人もいるし、他の単語の組み合わせ で放射の方がしっくりくる場合もあったりして、複雑です。 > > > > この輻射は、宇宙初期に物質が宇宙全体で熱平衡状態にあったものの名残りです。 > > > > 今は平衡状態ではないのだけれど、ほとんどのフォトンが遮られずに地球にま > > > > で到達するので、一様に温度が下がったように見えて観測されます。 > > > > > > なななんと。☆_☆ 平衡状態じゃないのか。 > > > しかし同じ「平衡状態ではない」にしても、初めは平衡状態で今は違 > > > うってのが、なんとも奇妙ですなあ。(^^; > > > そういう臨界点があるとか、そういうことですかねえ。 > > > > 物質の状態と密度の違いによります。 > > 宇宙初期は高温のため全部イオン化されていて、陽子と電子がバラバラになっ > > ています。そういう電荷を持った粒子とフォトンは相互作用しやすいので、フ > > ォトンはすぐに物質にぶつかってしまい、やがて平衡状態に達します。 > > 温度が下がってくると、電子は陽子につかまって中性粒子になります(再結合 > > という; 宇宙の歴史では最初の結合なのだが、なぜか再結合ということになっ > > てる。recombination)。そうすると、フォトンはぶつかるものがいなくなって > > まっすぐ進むようになり、フォトンと物質の相互作用が切れてお互いが勝手な > > 進化をはじめるわけ。 > > 「進化」ってのがステキな表現だね。 > > つまり、平衡状態になるほどに密接な相互作用がなくなっちゃったっ > てわけだ。 そう、そういうことです。 > 結局、フォトンと物質というのは、現在は「独立」してると考えてい > いのかな。 背景輻射のフォトンとはほぼ独立してると思っていいです。 ごく一部が途中の物質と散乱されて、それを観測することでいろんなことがわ かったりもするんだけど、逆に言うと圧倒的大多数の背景輻射のフォトンは独 立してると思っていいです。 # ついでに言えば、完全には独立してないから観測できる=観測装置と相互作 # 用がある、わけだけど。 あと、これはあくまでも背景輻射を構成するフォトンの話で、当然ながら世の 中いろいろなフォトンがあるのでフォトン全般の話ではないです。念のため。 > > もっと温度が下がってくると、別な理由でまたイオン化されるんだけど(これ > > はまだなぜかはよくわかっていない; たぶん出来たての銀河が UV 光をガンガ > > ン出してイオン化したか、クェーサーなどの特異天体による UV かなんかによ > > ると思われている)、こんどは物質の密度がスカスカすぎて、フォトンはほと > > んどぶつからなくなります。 > > > > > > ちなみにどう下がるかというと、宇宙のサイズ(二点離れたところにそっ > > > > と置いた物体同士が宇宙の膨張のみによって離れていく距離と思ってくだ > > > > さい)に反比例します。 > > > > > > > > 宇宙の場合の問題は、いろんな温度のものが混在していること。たとえば > > > > ガス(水素とかヘリウムとか)の宇宙の平均温度は、実はめちゃめちゃ高く > > > > て、10^7K 程度と言われています。高温のガスがあるところから出るフォ > > > > トンはもちろん高温で、X線とかで観測される。太陽の周囲のガスだと、 > > > > 10K~10^4K ぐらいのものが混在している。エネルギー密度ってことでい > > > > うと、2.7Kの宇宙背景輻射が必ずしも支配的ってわけではないのだな。 > > > > > > うーん。つまりはトータルでの宇宙の平均温度ってのはそれらをみん > > > な総合して考えねばならんと。 > > > > そう。 > > なにを見たいか、というのを最初に設定してあげないと、ね。 > > 宇宙のエネルギー密度の指標としての平均温度を見たいのか、宇宙の進化の名 > > 残を理解するために宇宙背景輻射の温度を見たいのか、物質の進化を見るため > > にガスの平均温度を見たいのか、とか。 > > なるほど。 > > ちなみに「宇宙のエネルギー密度の指標としての平均温度」ってどの > くらいなの? > > それってやっぱり低くなって行ってるのだろうか。 温度は定義によるのでなんとも言えないのだけど、 宇宙の平均密度は、だいたい 0.3 x 1.9x10^(-29) / 0.7^2 [g/cm^3] ぐらいですが(なぜ幾つも数値を掛けているかは業界事情による^^;;)、エネル ギー密度に直すと光速の自乗、 c^2 をかければよいので大体 ρc^2 = 1 x 10^(-8) [erg/cm^3] ぐらいになる。 全部フォトンだと思うと、Stefan-Boltzmann u(エネルギー密度)=aT^4 より T = (u/a)^(1/4) = (10^(-8)/(8x10^(-15)))^(1/4) = 10^(6/4) = 30 [K] ぐらい。 あくまでもこれはフォトンだと思うと、という値で、エネルギー密度と温度の 関係はちょっと難しいです。温度は Boltzmann 定数 k をかけてエネルギーに なる量なので、エネルギーとエネルギー密度の関係を与えてやらないと。 で進化の方ですが、それがいろいろ議論のあるところなのですが、現在のとこ ろ、ほぼ一定に落ち着きつつあるのではないか、と思われてます。というのは、 そのダークエネルギーってのの密度がもっとも大きくなってると思われてるの で。 宇宙のサイズの指標を a とすると、前回言ったように、エネルギー密度ρは ・輻射(フォトン) ρ∝1/a^4 ・普通の物質、ダークマター ρ∝1/a^3 (体積に反比例) ・ダークエネルギー ρ=const. (あるいは a が大きくなると共に少しづつ下 がるというモデルもある) となってます。現在の理解では、現在を a=1 となるように物差しを設定すると、 ・a=1/10^4 で輻射のρ=物質のρ(これ以降、物質のρが卓越) ・a=1/10^3 で背景輻射が独立になる(再結合) です(つまり、空間が現在の1万分の1、千分の1の時代)。 ダークエネルギーと物質のρが同じになるのは a=1/2 よりも現在に近いぐら いと思ってよさそうな雰囲気です。 > > > > ちなみに、宇宙背景輻射と同様に、宇宙背景ニュートリノっちゅーのもあ > > > > って、こちらはもう少し温度が低いです。熱平衡から脱した時代がちょっ > > > > と早かったもので。 > > > > > > > > で、宇宙背景輻射と宇宙がこの先どうなるかってことは、その通り関係し > > > > ています。ただし、この宇宙背景輻射(現在2.7Kの)の温度がどうなるかは > > > > 結果で、原因は宇宙が膨張するか収縮するかになります。上で書いたよう > > > > に、温度はサイズに反比例するので。 > > > > > > > > 宇宙が膨張しつづけるかどうかは、内部のエネルギーがどれだけあるかに > > > > よるわけですが、必ずしも(グローバルな)エネルギー保存則が成り立つわ > > > > けではないです。 > > > > > > うへえええええええええええええ。 > > > そういう気もしていたが、やはりそうなのか……。 > > > > うむ。そうなのだ。 > > ただ、普通の物質については保存則がなりたってると思っていいです。 > > ちなみに局所的には、当然常にエネルギー保存則が成り立っています。 > > # というか、そうだとして話を進めるわけだが。 > > なるほど。そのあたりが物理学の魅惑的なところだのう。(^O^) > > 結局、内部のエネルギーがどれだけあれ、宇宙が膨張/ある時点で収 > 縮に転じるってのが決まるってラインがあるわけ? そう、その通り。critical density と呼ばれていて、現在で言うなら 1.9 x 10^(-29) / h^2 [g/cm^3] です。h は Hubble 定数で、今の推奨値は 0.7 ぐ らい。これより密度が高いといずれ収縮に転じます。 ちなみに、銀河になってるようなところは、局所的に密度が高いところなわけ だけど、これは見方によっては局所的に収縮に転じた宇宙と思ってもらっても いいです。 > > > > というのは、たとえば「真空のエネルギー」なるものがもっともエネ > > > > ルギー密度が大きいと思われていますが(最近はダークエネルギーとかか > > > > っこつけて言われている)、これはいわば空間の属性みたいなものなので、 > > > > 膨張すればするほど、体積に比例してエネルギーが増えることになります。 > > > > > > むむむむむ。 > > > そういうのもエネルギーなんすか。 > > > > そうなんですよ、困ったもんだ。 > > なんか、詐欺みたいだよな。(^^; > > 言い切ったら勝ちかよ、みたいな。 まあ声のデカイやつが物事を決めるのはどこでも…。(^^;; ただまあ、真空のエネルギーというやつは実際あるので、それ自体はいいんで すが、問題はどういう性質のものが宇宙で支配的か、ってことがわからんこと ですな。 > > > > 真空のエネルギーに次いで密度が高いのはダークマターですが > > > > # 宇宙のエネルギーの 96% は「ダーク」なもので占められているらしい。(^^;; > > > > # 水素などのよく知っている物質は4%。 > > > > # フォトンは無視できます。 > > > > > > ん? フォトンが無視できるのは量的に?エネルギー的に? > > > > エネルギー的に、です。 > > 物質の場合は密度x光速^2 でエネルギー密度になるし、フォトンの場合は温度 > > ^4 がエネルギー密度に比例するので、それで比較できます。 > > あららららら。 > > てぇことは、トータルな「宇宙の平均温度」ってのは、2.7Kとは相当 > 違う値になりそうですなあ。 エネルギー密度で比較すると、上で書いたように ・フォトン: 8x10^(-15) x (2.7)^4 = 4x10^(-13) [erg/cm^3] ・物質密度: 1x10^(-8) [erg/cm^3] ってなわけで、圧倒的にフォトンの方が低いことになりますな。 > > > > これは振舞いとしては普通の物質に近く、「物」というか「ツブツブ」と > > > > いうか、まあそんなものと思って大体よいです。なので、膨張しても宇宙 > > > > に含まれる全ダークマターの量は変わりません。 > > > > > > うむぅ……。 > > > ちゅうことはダークマターさんは、原子などでは構成されていないに > > > も拘わらず、そういう物質のような働きをすると?? > > > > > > わけわからんす。(^^;; > > > > うむ、わからんのだ。(^^;; > > (^^;;;;; > > > ただ、まあなんらかの粒子ではあると思っています。候補になってる素粒子は > > 幾つかあって(アキシオンとかニュートラリーノとか)、実験屋さんが必死に探 > > してます。 > > 普通の原子とは違うけど、素粒子ではあるであろう、と。 > > ちゅうことは、なんだ、要は、「素粒子が原子と同じような振る舞い > をしますよ」ってことかい? > > ???? > > うむむ。 > > 探してるってことは見つかってないってことだよなあ。 > なのに「振舞いとしては普通の物質に近」いってことがわかってるの > は、ダークマターってのは観測したものじゃないってことかい。 ええと、原子はある素粒子の複合体であるわけです。陽子、中性子、電子。陽 子や中性子はクォークなどというさらに細かいレベルの素粒子に分解可能。 で、ダークマターになってるのは、そういう原子を構成するのではない、別の 素粒子であろうと考えられています。 たとえば以前は有力候補だったのがニュートリノ。こいつにちょっと質量があ ると、宇宙背景ニュートリノ輻射の理論計算から、エネルギー密度で支配的に なるということが言える。しかし、諸々の理由から、ニュートリノでは困ると いう話になっています(少しだけ質量はあるようだが)。 で、そういう素粒子が、ほぼ光速でビュンビュン飛んでられると困るのだけど # そういう個々の粒子の運動エネルギーが高いやつを「相対論的」粒子と呼び # ます。定義は静止質量エネルギー mc^2 より運動エネルギーが高いか低いか。 # 相対論的粒子だと、フォトンと同じふるまいになっちゃいます。 ゆっくり飛んでてくれれば原子と似たように密度が体積に反比例してくれる。 ので、エネルギー密度については原子と同じように思っていいわけ。 ダークマター自体は直接測定はされてないです。正体がまだわかってなくて、 素粒子実験でそれをつきとめようとしている段階。 ただ、宇宙論のいろんな観測から、「ないと困る」ということがわかってて、 それで性質にいろいろ制限がついています。 > > # ミニブラックホールである、という話もあるのだけど。 > > げ。 といってもまあ一個の質量が高ければ(太陽質量だったら 10^33 g ぐらい)、 平均間隔も膨大な大きさになるので、地球にぶつかるような SF なことはほぼ 起きないと思う。(^^;; |
ひえたろう N
> 宇宙の平均温度が -270℃ってのについてですが。 > これはたぶん、2.7K (K=ケルビン; 絶対温度)の宇宙背景輻射のことを指して > いると思います。これは宇宙に「充満する光(フォトン)」の温度です。昔はもっ > と高かった。これはまさに宇宙が膨張しているから、温度が下がっています。 あれ? ってことは、「宇宙の平均温度」というのは私の勘違いだっ たわけですな。あくまで宇宙の「一部」であるフォトンの平均温度って ことか。 しかし「宇宙背景輻射」って、なんか奇妙な名前ですなあ。(^-^; > この輻射は、宇宙初期に物質が宇宙全体で熱平衡状態にあったものの名残りです。 > 今は平衡状態ではないのだけれど、ほとんどのフォトンが遮られずに地球にま > で到達するので、一様に温度が下がったように見えて観測されます。 なななんと。☆_☆ 平衡状態じゃないのか。 しかし同じ「平衡状態ではない」にしても、初めは平衡状態で今は違 うってのが、なんとも奇妙ですなあ。(^^; そういう臨界点があるとか、そういうことですかねえ。 > ちなみにどう下がるかというと、宇宙のサイズ(二点離れたところにそっと置 > いた物体同士が宇宙の膨張のみによって離れていく距離と思ってください)に > 反比例します。 > > 宇宙の場合の問題は、いろんな温度のものが混在していること。たとえばガス > (水素とかヘリウムとか)の宇宙の平均温度は、実はめちゃめちゃ高くて、 > 10^7K 程度と言われています。高温のガスがあるところから出るフォトンはも > ちろん高温で、X線とかで観測される。太陽の周囲のガスだと、10K~10^4K ぐ > らいのものが混在している。エネルギー密度ってことでいうと、2.7Kの宇宙背 > 景輻射が必ずしも支配的ってわけではないのだな。 うーん。つまりはトータルでの宇宙の平均温度ってのはそれらをみん な総合して考えねばならんと。 > ちなみに、宇宙背景輻射と同様に、宇宙背景ニュートリノっちゅーのもあって、 > こちらはもう少し温度が低いです。熱平衡から脱した時代がちょっと早かった > もので。 > > で、宇宙背景輻射と宇宙がこの先どうなるかってことは、その通り関係してい > ます。ただし、この宇宙背景輻射(現在2.7Kの)の温度がどうなるかは結果で、 > 原因は宇宙が膨張するか収縮するかになります。上で書いたように、温度はサ > イズに反比例するので。 > > 宇宙が膨張しつづけるかどうかは、内部のエネルギーがどれだけあるかによる > わけですが、必ずしも(グローバルな)エネルギー保存則が成り立つわけではな > いです。 うへえええええええええええええ。 そういう気もしていたが、やはりそうなのか……。 > というのは、たとえば「真空のエネルギー」なるものがもっともエネ > ルギー密度が大きいと思われていますが(最近はダークエネルギーとかかっこ > つけて言われている)、これはいわば空間の属性みたいなものなので、膨張す > ればするほど、体積に比例してエネルギーが増えることになります。 むむむむむ。 そういうのもエネルギーなんすか。 > 真空のエネルギーに次いで密度が高いのはダークマターですが > # 宇宙のエネルギーの 96% は「ダーク」なもので占められているらしい。(^^;; > # 水素などのよく知っている物質は4%。 > # フォトンは無視できます。 ん? フォトンが無視できるのは量的に?エネルギー的に? > これは振舞いとしては普通の物質に近く、「物」というか「ツブツブ」という > か、まあそんなものと思って大体よいです。なので、膨張しても宇宙に含まれ > る全ダークマターの量は変わりません。 うむぅ……。 ちゅうことはダークマターさんは、原子などでは構成されていないに も拘わらず、そういう物質のような働きをすると?? わけわからんす。(^^;; |
ひえたろう N
> > 宇宙の平均温度が -270℃ってのについてですが。 > > これはたぶん、2.7K (K=ケルビン; 絶対温度)の宇宙背景輻射のことを指して > > いると思います。これは宇宙に「充満する光(フォトン)」の温度です。昔はもっ > > と高かった。これはまさに宇宙が膨張しているから、温度が下がっています。 > > あれ? ってことは、「宇宙の平均温度」というのは私の勘違いだっ > たわけですな。あくまで宇宙の「一部」であるフォトンの平均温度って > ことか。 うん。 解説の人がわかりやすく言おうとしてそんな風に言ったのかもしれんけど。 ただまあ、太陽の光がこない宇宙空間に物体をほっておけば、やがてはその温 度には落ち着くでしょうなあ。 > しかし「宇宙背景輻射」って、なんか奇妙な名前ですなあ。(^-^; そうかな。(^^;; 慣れてしまったのか、違和感がない。 Cosmic Background Radiation ですな。 > > この輻射は、宇宙初期に物質が宇宙全体で熱平衡状態にあったものの名残りです。 > > 今は平衡状態ではないのだけれど、ほとんどのフォトンが遮られずに地球にま > > で到達するので、一様に温度が下がったように見えて観測されます。 > > なななんと。☆_☆ 平衡状態じゃないのか。 > しかし同じ「平衡状態ではない」にしても、初めは平衡状態で今は違 > うってのが、なんとも奇妙ですなあ。(^^; > そういう臨界点があるとか、そういうことですかねえ。 物質の状態と密度の違いによります。 宇宙初期は高温のため全部イオン化されていて、陽子と電子がバラバラになっ ています。そういう電荷を持った粒子とフォトンは相互作用しやすいので、フォ トンはすぐに物質にぶつかってしまい、やがて平衡状態に達します。 温度が下がってくると、電子は陽子につかまって中性粒子になります(再結合 という; 宇宙の歴史では最初の結合なのだが、なぜか再結合ということになっ てる。recombination)。そうすると、フォトンはぶつかるものがいなくなって まっすぐ進むようになり、フォトンと物質の相互作用が切れてお互いが勝手な 進化をはじめるわけ。 もっと温度が下がってくると、別な理由でまたイオン化されるんだけど(これ はまだなぜかはよくわかっていない; たぶん出来たての銀河が UV 光をガンガ ン出してイオン化したか、クェーサーなどの特異天体による UV かなんかによ ると思われている)、こんどは物質の密度がスカスカすぎて、フォトンはほと んどぶつからなくなります。 > > ちなみにどう下がるかというと、宇宙のサイズ(二点離れたところにそっと置 > > いた物体同士が宇宙の膨張のみによって離れていく距離と思ってください)に > > 反比例します。 > > > > 宇宙の場合の問題は、いろんな温度のものが混在していること。たとえばガス > > (水素とかヘリウムとか)の宇宙の平均温度は、実はめちゃめちゃ高くて、 > > 10^7K 程度と言われています。高温のガスがあるところから出るフォトンはも > > ちろん高温で、X線とかで観測される。太陽の周囲のガスだと、10K~10^4K ぐ > > らいのものが混在している。エネルギー密度ってことでいうと、2.7Kの宇宙背 > > 景輻射が必ずしも支配的ってわけではないのだな。 > > うーん。つまりはトータルでの宇宙の平均温度ってのはそれらをみん > な総合して考えねばならんと。 そう。 なにを見たいか、というのを最初に設定してあげないと、ね。 宇宙のエネルギー密度の指標としての平均温度を見たいのか、宇宙の進化の名 残を理解するために宇宙背景輻射の温度を見たいのか、物質の進化を見るため にガスの平均温度を見たいのか、とか。 > > ちなみに、宇宙背景輻射と同様に、宇宙背景ニュートリノっちゅーのもあって、 > > こちらはもう少し温度が低いです。熱平衡から脱した時代がちょっと早かった > > もので。 > > > > で、宇宙背景輻射と宇宙がこの先どうなるかってことは、その通り関係してい > > ます。ただし、この宇宙背景輻射(現在2.7Kの)の温度がどうなるかは結果で、 > > 原因は宇宙が膨張するか収縮するかになります。上で書いたように、温度はサ > > イズに反比例するので。 > > > > 宇宙が膨張しつづけるかどうかは、内部のエネルギーがどれだけあるかによる > > わけですが、必ずしも(グローバルな)エネルギー保存則が成り立つわけではな > > いです。 > > うへえええええええええええええ。 > そういう気もしていたが、やはりそうなのか……。 うむ。そうなのだ。 ただ、普通の物質については保存則がなりたってると思っていいです。 ちなみに局所的には、当然常にエネルギー保存則が成り立っています。 # というか、そうだとして話を進めるわけだが。 > > というのは、たとえば「真空のエネルギー」なるものがもっともエネ > > ルギー密度が大きいと思われていますが(最近はダークエネルギーとかかっこ > > つけて言われている)、これはいわば空間の属性みたいなものなので、膨張す > > ればするほど、体積に比例してエネルギーが増えることになります。 > > むむむむむ。 > そういうのもエネルギーなんすか。 そうなんですよ、困ったもんだ。 > > 真空のエネルギーに次いで密度が高いのはダークマターですが > > # 宇宙のエネルギーの 96% は「ダーク」なもので占められているらしい。(^^;; > > # 水素などのよく知っている物質は4%。 > > # フォトンは無視できます。 > > ん? フォトンが無視できるのは量的に?エネルギー的に? エネルギー的に、です。 物質の場合は密度x光速^2 でエネルギー密度になるし、フォトンの場合は温度 ^4 がエネルギー密度に比例するので、それで比較できます。 > > これは振舞いとしては普通の物質に近く、「物」というか「ツブツブ」という > > か、まあそんなものと思って大体よいです。なので、膨張しても宇宙に含まれ > > る全ダークマターの量は変わりません。 > > うむぅ……。 > ちゅうことはダークマターさんは、原子などでは構成されていないに > も拘わらず、そういう物質のような働きをすると?? > > わけわからんす。(^^;; うむ、わからんのだ。(^^;; ただ、まあなんらかの粒子ではあると思っています。候補になってる素粒子は 幾つかあって(アキシオンとかニュートラリーノとか)、実験屋さんが必死に探 してます。 普通の原子とは違うけど、素粒子ではあるであろう、と。 # ミニブラックホールである、という話もあるのだけど。 |
先日、『夏休みこども科学電話相談』で聞いた話として「宇宙の平均温度」のことを書いた。
先日、これについてN氏からメールにてフォローをいただいた。
(もちろん私が↑を書いたのはN氏のフォローを期待したからであるが。*^_^* ……って、じゃあ何か? 私がこの欄でああいうことを書くのは、そのままN氏への解説要求だってことか? フッ……そう受け取っていただいて結構。\(^O^)/)
以来、少しばかりN氏とメールの往復が続いている。
(つまり、説明してもらうたびに私に「?」マークが湧くので(^^;、果てしなく説明が必要になるってこと(^^;;;;; )
というわけで、例によってこれを御紹介しようと。(もちろん許可は取ってるよ)
だってさ。実際、こういうのに答えてくれるのって、かなりのエネルギーと時間が要ると思うんだ。私1人で独占するのはとてももったいない。
N氏への感謝とともに、できればできるだけ多くの人と分かちあいたい、と、そういうわけ。
一度に出すにはあまりに量が多いので、餃子と同じく(^^;小出しにしていこう。
ま、新たなコーナーができると思っていただければ。
読む気力がある人は是非読んでみて下され。(^^;
読んでいただくとわかるはずだが、私は単なる文系モノだ。
なのでN氏も私に合わせてかなりかみ砕いて説明してくれている(ハズ(^^; )。
わかってる人は私の物わかりの悪さを笑ってくれればよろしい。(^^;;
まあ、この全部とは言わない。この中のほんの一部でもいいから、皆さんの茂樹になれば……じゃない、刺激になれば、もっけの幸い。
ひえたろう N
この夏前半の『夏休みこども科学電話相談』で聞いたことだが。 宇宙の平均温度は、-270℃だそうだ。 ちなみに絶対零度は-273℃。 (ガッコで習ったはずだけど念のため言っておくと、物理的に-273℃以下の世界ってのは有り得ませんので。高温には限界がないがないけど、低温には限界があるのだ) へえええ。 そうか、この3℃が、われわれ生物の躍動の根拠なわけだなあ。 素敵な話だ。 で、ビッグバンの時にはもっと高かったのが、低くなってきているのだという。 へえええ。 これはあれか、宇宙が膨張してるからなのかな。 分母が増え続ければ、値も小さくなり続けるってことだろうから。 れれ、そうだとすれば。 エネルギー保存の法則がそんなにマクロなレベルでも成り立ってるとすれば(知らんけど)、これはつまり、宇宙がこれからも際限なく膨張を続けるか否かっていう問題につながる??? (つまり宇宙が膨張すれば宇宙の平均温度は下がり続ければ、最終的には-273℃に限りなく近づいていくはずで。それは結局、無限に膨張するってことなのか、それとも……という話になるんじゃないかと) わからんが。 うむ。 やっぱり『夏休みこども科学電話相談』はいいね。いろいろ考えさせてくれる。\(^O^)/ |
ひえたろう N
亀レス?だけれども。 宇宙の平均温度が -270℃ってのについてですが。 これはたぶん、2.7K (K=ケルビン; 絶対温度)の宇宙背景輻射のことを指して いると思います。これは宇宙に「充満する光(フォトン)」の温度です。昔はもっ と高かった。これはまさに宇宙が膨張しているから、温度が下がっています。 この輻射は、宇宙初期に物質が宇宙全体で熱平衡状態にあったものの名残りです。 今は平衡状態ではないのだけれど、ほとんどのフォトンが遮られずに地球にま で到達するので、一様に温度が下がったように見えて観測されます。 ちなみにどう下がるかというと、宇宙のサイズ(二点離れたところにそっと置 いた物体同士が宇宙の膨張のみによって離れていく距離と思ってください)に 反比例します。 宇宙の場合の問題は、いろんな温度のものが混在していること。たとえばガス (水素とかヘリウムとか)の宇宙の平均温度は、実はめちゃめちゃ高くて、 10^7K 程度と言われています。高温のガスがあるところから出るフォトンはも ちろん高温で、X線とかで観測される。太陽の周囲のガスだと、10K~10^4K ぐ らいのものが混在している。エネルギー密度ってことでいうと、2.7Kの宇宙背 景輻射が必ずしも支配的ってわけではないのだな。 ちなみに、宇宙背景輻射と同様に、宇宙背景ニュートリノっちゅーのもあって、 こちらはもう少し温度が低いです。熱平衡から脱した時代がちょっと早かった もので。 で、宇宙背景輻射と宇宙がこの先どうなるかってことは、その通り関係してい ます。ただし、この宇宙背景輻射(現在2.7Kの)の温度がどうなるかは結果で、 原因は宇宙が膨張するか収縮するかになります。上で書いたように、温度はサ イズに反比例するので。 宇宙が膨張しつづけるかどうかは、内部のエネルギーがどれだけあるかによる わけですが、必ずしも(グローバルな)エネルギー保存則が成り立つわけではな いです。というのは、たとえば「真空のエネルギー」なるものがもっともエネ ルギー密度が大きいと思われていますが(最近はダークエネルギーとかかっこ つけて言われている)、これはいわば空間の属性みたいなものなので、膨張す ればするほど、体積に比例してエネルギーが増えることになります。 真空のエネルギーに次いで密度が高いのはダークマターですが # 宇宙のエネルギーの 96% は「ダーク」なもので占められているらしい。(^^;; # 水素などのよく知っている物質は4%。 # フォトンは無視できます。 これは振舞いとしては普通の物質に近く、「物」というか「ツブツブ」という か、まあそんなものと思って大体よいです。なので、膨張しても宇宙に含まれ る全ダークマターの量は変わりません。 というわけで、宇宙の地平面内でエネルギーが保存しているかというと、必ず しもそうではないです。ないですが、膨張を続けるかどうか、ってのと、エネ ルギーの話は密接な関係にあることはその通りです。 サクッと返信するつもりが、計算しながらなんかダラダラ書いてしまった。(^^;; 夏休みオジサン科学相談室、ということで。 |
