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現代の優生学

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 「マイナスイオンって体にいい」とか、いつの頃から言われだしたんだろうね。

 私の友人の中でも案外多くの人が信じてた。とはいえそれは漠然としたもので、「そりゃデタラメだよ」と教えたところで「そんなことないッ! ほんとだってば」なんて反論が返ってくることはない。
 たいていは「へえ。まあそうかもしれんけど、実害があるわけじゃなし、気分の問題だから」てな反応。このあたりが普通だろうなあ。血液型占いと同じような「どうでもよさ」というか。

 このテのもので「水からの伝言」ってやつがある。
 これが最近、目に余る状態になっている。

 「ありがとう」「ばかやろう」といった言葉を書いた紙を水に「見せて」、その水で結晶を作ったら「ありがとう」を見せた水ではきれいな結晶ができて、「ばかやろう」の水は結晶が崩れてしまい、きたない状態になる……という内容で、『水からの伝言』はその水の結晶の写真集。

 他にも「平和」「戦争」なんていうのもある。当然(^^)、「平和」の方が「きれいな」結晶ができる、と。

 この話を聞いて、

んなわきゃない。

 と普通に考えることができればいいんだけど。

 世の中にはそうは思えない人もいるようで。

 まあそれはそれで勝手に自分で思ってる分には構わない。
 ただ、これを「目に余る」と書いたのは、これを道徳の授業で子供相手に使っちゃう先生がいるのよ。困ったことに。

 つまり、「水にでさえ「ありがとう」という言葉には美しい結晶を結び、「ばかやろう」というという言葉では美しい結晶を作らない。体の70%が水でできている人間も、当然言葉の影響を受けます。だからいい言葉を使いましょうね」と。こういう論理展開で、「いい言葉」を使うように指導するのだ。

 これは深刻な問題。

 導かれる結論(いい言葉を使いましょうね)はまあ常識的な倫理の範囲として、その根拠として挙げられてる話が滅茶苦茶。

 まず「ありがとう」水だけがうまく結晶を作るという事実自体がないし(水は言葉を「理解」しないので)、もし百万歩譲ってそれがあったとしても、うまくできた結晶を「美しい」とすることは勝手な価値観だし(きっと岡本太郎はそうは言わないだろうなあ)、見かけが「美しい」から「善」とするのもこれまた勝手な価値観。
 もし仮にその現象が事実だとしたら、道徳の時間で教えるべきは全く逆に、「物理現象としてはこうだけど、見かけで善悪を判断しようとするのは道徳的に間違っている。決してこんな二分法に陥らないように」という話だろうに。

 つまり、「汚い言葉を使わず、「ありがとう」など、いい言葉を使いましょう」という普通の話を、わざわざ怪しい(というか、有害な)話を持ち出してやる必要があるのか、ということ。

 恐らく指導する先生はラクなんだろうなあ、とは思う。普通に「いい言葉を使いましょうね」と言うだけよりも子供に与えるインパクトが強いから。
 しかし、見かけが美しい → 善って、そんなの、差別思想じゃないか。
 おそらく教師はそこまで考えが至っていないのだろう。あくまでも「効率よく」生徒たちに「いい言葉を使う」ことを指導できるというところで思考・想像力が止まってしまっている。
 ところがそんな教師が、残念ながらどうやらかなりの数いるらしい。

 ヒドイねえ。

 MBS(大阪のローカルテレビ局)が電話調査したところ、西宮市内40数校中、少なくとも14校でこのテの授業が行われたという。

 目を覆いたくなる数だ。@_@

 これ、冗談じゃなく現実なんだよ。

 ……と、長い話になったけど、こういう状況を憂いている科学者が、問題を話し合うために、先日、フォーラムを開催した。

 京都の某女子大で行われた、このニセ科学フォーラム()に私も参加してきた。


手作り感が微笑ましい(^O^)


 実はこういう啓蒙活動は科学者には何の得にもならない。業績にならないので。だから普通の科学者はやりたらがらない。
 このフォーラムで演壇に立った科学者たちは、利益ではなく、あくまでも科学者としての社会的責務、使命感によって動いているのだ。

 だから感動的。

(そりゃ、科学に対する社会的な理解がもっと進めば科学や研究に割り当てられる予算が増えるなど、最終的な利益は訪れるだろうけれどね)

 あまりに酷い現状に対して、これはひょっとすると焼け石に水のような小さな一歩かもしれない。しかし焼け石を冷やすには少しずつでも水をかけ続けるしかないのだ。


 まあ科学とかそんな言葉を持ち出す以前に、こんな話を聞いて即座に

んなわきゃない。

 と言える人間を育てるのが、(科学者ではなく)普通の大人のやるべきことなんだと思うんだけどな。

 ↑意外にも(?)参加者の平均年齢は高かった。

 ↑最後の「討論」の時に、「消費者の科学リテラシーと言われても、一般人にそんなもの求められても無理、それよりも科学者が何とかしろ」的な意見を(何度も)言う人がいて、結構ウンザリ。
 非力でも少しずつ進んでいこうという意志でフォーラムを開催した人達に対して、どこまで求めようと言うんだろう。

 マイナスイオン商品とか、そんなもん消費者が買わなければなくなるってのがフツーの道理だろうに。

 ちょっとワロタ(^^;↓

(amazon)
水からの伝言―世界初!!水の氷結結晶写真集 (Vol.2) (単行本)

 ↑このページのレビューのところ。


黒い部屋で過ごすのと、パステルカラーの部屋で過ごすのと。もしくはヘヴィメタばかりがかかっている部屋と、オーケストラがかかっている部屋。どちらが人間(つまり動物)にとって心地よいかを考えれば、我々がいかに色や音などの波動に影響されているかが分かります。

 だって。(^^;;
 「ヘヴィメタ」は人間に心地よいのか悪いのか、私にゃわかりませんが、この人には自明のようで……。

 あと、黒い部屋とパステルカラーってのも私にゃわからんなあ。

 「やらんとチキン」ってか。(^^;;

 きくちさんは私が着ていた頭脳警察のTシャツにすぐに気づいた。(^^)

 やはり悩むよ。役に立てるのか?

突然食いたくなったものリスト:

  • 雪苺娘

本日のBGM:
大人の運動会 /麗美


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このページは、hietaroが2006年9月 1日 03:15に書いたブログ記事です。

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