らーめん麺元素@天六

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 ちょうど昼間に天六に行く用事があったのでどの店に行くべきか友人に尋ねてみた。そこで「微妙だけど、可能性を感じるかな?」「感想を聞いてみたい」というコメント付きで勧めてもらったのが麺元素。実はこれまで2度ほど行こうとしたことがあるのだけども、どうにもタイミングが合わず、今回が初めての訪問。


店構え@麺元素

 ランチタイムは+40円でライス、+140円で半チャーハンをつけることができる。しかし私はつけ麺(魚系つけダレ)単品を大盛で頼んだ。(^O^)

#このつけ麺に関してはどうも名前が統一されていない。(^^; 店頭でも「つけ麺(魚系つけダレ)」「つけ麺(魚貝系しょう油つけダレ)」となっているし、雑誌では「魚元素つけ麺」(石山本)「魚つけ麺」(Walker)と書かれている。一応ここではメニューにある「つけ麺(魚系つけダレ)」でいく。

 つけ麺(魚系つけダレ)の麺は標準で200g。大盛は+100円で+100g。

 店内表示を見ると、麺類の値段が手書きで直してある。つけ麺(魚系つけダレ)はopen当初(2009年8月)から20円値上がりしている(並盛740円⇒760円)。


つけ麺

 これについては店内に貼紙で説明がある。


お知らせ

 この店は国内産小麦を100%使用しているが、それがこの11月(2009年openの店だから、当然2009年のことだろう)に約20%値上がりしたので、ラーメンは10円、つけ麺は20円値上げすると。

 確かに去年末に国産小麦は値上がりしたんだよね。輸入小麦は値下がりしてるのに。これほんと。

参考:小麦粉価格改定のお知らせ|ニュースリリース|日清製粉グループ(2009年10月22日)
http://www.nisshin.com/company/release/details/091022_370537.html

改定額
(1)強力系小麦粉 ▲460円/25kg当り
(2)中力系・薄力系小麦粉 ▲145円/25kg当り
(3)国内産小麦100%小麦粉 +395円/25kg当り
尚、上記改定額には消費税は含まれておりません。

 ただ、このあたりを値上げの「理由」として説明するのも善し悪しかなあとは思うんだよ。

#この店が日清製粉の粉を使ってるかわからないんだけども、日清製粉の卸価格の変動は実質的に国内の製粉業者全体の価格変動を決めていると考えていい。

 このニュースリリースのとおり、国内産小麦100%小麦粉は25kgあたり395円の値上げなんだ。
 つまり1kgあたり15.8円。
 このつけ麺の加水率はわからんけど、仮に40%としたら、

 となり、200gの麺には小麦粉が143g使われていることになる。
 1kgあたり15.8円の値上げは、つまりつけ麺1人前(200g)の麺では15.8円×0.143kg=2.3円の原価上昇になるというわけ。

 だからこいつを理由に20円値上げするという話は、少しばかり「?」となってしまう。特にラーメンの値上げが10円なのにつけ麺が20円という差のつけ方がわからん。
 ......いやまあ、いいんだけどもね。
 ただ、こういうのはすぐにわかるんだからわざわざ書かなくていいのにと思う。

 ......いやしかしまぁそれはそれとして、今はつけ麺(魚系つけダレ)の話だよ。

 オープンしたての店らしく、店内はとてもきれい。

 注文してから店内を観察していると、途中で現れた人1人を加えて、比較的若めの男性ばかり4人で店を回している。儲かってるんだなあ。

 店内にはさっきの値上げの話の他にも、米は長野県産コシヒカリを使っているとかいろいろ書かれている。
 店名「麺元素」に引っかけて「自家製気になるスープ・天然材100%」なんてことも。「化学調味料」「添加物」不使用だってさ。
 これを「店名の由来」と書いてある雑誌(『ラーメンWalker』)もあったけども、これは聖飢魔IIの「なるものにえている悪IIび甦る」と同じく単なる後付けだろうに。由来と見るにはあまりに無理がありすぎるよ。(^O^)

 まあしかし、そういう店(素材にこだわる?)らしいということはわかった。

 しばし待つと、出てきましたよつけ麺(魚系つけダレ)大盛(¥860)。


つけ麺(魚系つけダレ)大盛(¥860)@麺元素

 具はつけ汁の中にチャーシュー、メンマが入っており、ノリ、フライ玉ネギが浮いている。あと煮干と干エビ(←具かこれ?)。麺の上にネギ、半熟煮玉子、おろした柚子の皮が振られており、横には薬味として西洋からし(レホールというらしい)が添えられている。
 麺は全粒粉入りストレート平麺。
 つけ汁は豚骨魚介。油が結構たくさん浮いている。魚介系も何かいろいろいいものを使ってるらしい。

 全体的においしい。

 麺は結構冷たい水で締めたようだ(寒かったしね)。固めに仕上がっていたが、平麺が結構薄いので固すぎてダメというほどでもなく程よく歯応えが残っている(もうちょっとだけ茹でてもいいと思うけどな)。ただ冷たすぎて香りはあんまり感じない。


麺近影@つけ麺(魚系つけダレ)
残った芯が見えるかな? もうちょっとだけ芯の残りが少ない方が好みだなあ。

 「太平麺」と店側の説明にはあるが、こういうのを「太」と表現するのはつけ麺がブームになってからの悪習じゃないかな。そりゃ切り歯の番手でいえば「太麺」になるのかもしれないけど、ここまで薄い(断面のタテヨコ幅が大きい)と、どっちを「幅」と言っていいものかどうか。薄い方を「幅」として考えれば、これはむしろ細麺だ。


つけ汁@つけ麺(魚系つけダレ)

 つけ汁はかなりたくさん油が浮いていて、待ってる間に受けた「健康志向」のイメージがちょっと狂う。(^O^)
 食べてみると豚骨魚介の味。とはいえ「またおまえか」というほどには典型的ではない。厳選された素材で、それなりに個性的な味に仕上がっている。......とはいえやっぱり豚骨魚介のワクの中ではある。

......と書きつつ、ここは鶏をメインに押していて、豚骨そのものはどのくらい使っているのか/あるいは使っていないのか、私は知らない。しかし出てきてるものはあくまでも巷の「豚骨魚介」の延長線上なのでこう扱うだけのこと。もしこれが豚なしで鶏100%であっても、出てくる味がこれなら鶏に大した意味はない。

##そういえばちょっと前にこんなことがあった。ある店で......「何やと思います?」「豚骨魚介......ちゃうの?」「違うんですよ~、よく言われるんですけどね、動物は鶏しか使ってません」「へええええええええ」「そうなんですよ~」なんて。いや、でも、だったら豚骨でええやん。(^^; せっかく鶏を使うんなら豚骨魚介と全然違うものを作らんと。鶏で豚骨の代用品作っても意味ないよ。

 チャーシュー、メンマは丁寧に作ってると思った。チャーシューはちょっと醤油が強かったけど、それでもうまかった。

 麺にはネギ(白ネギと青ネギ)がトッピングされており、さらにその上から柚子の皮をすり下ろしたのが振られている。
 つけ汁を啜ってみると一口目にフライ玉ネギの香ばしい香りがして、次にノリの香りが広がる。そのあと豚骨とかが入ってきて、麺を口に運ぶとつけ汁と一緒にネギ、柚子の香りも登場する。香り的には正直ちょっとウルサイ。

 変わってるのはつけ汁の中に煮干や干エビが入っていること。これはどうやらダシの存在感をアピールするために(つまりルックス上のインパクトのために)入れられているようで、食ってもウマくはない。(^O^)
#これはやっぱりやめてほしいと思う。だって食べちゃうよどうしても。(^O^)

 半熟煮玉子の味はあまり印象はないな。ただえらい冷たかったことだけ覚えている。これはあんまりよろしくない。

 西洋ワサビが添えられているのも珍しいけど、私は最後まで持て余してしまったよ。

 あ、いや、繰り返すが、全体的においしい。

 それはそう。

 おいしいんだよ。
 そりゃ間違いない。

 ただ......。

 冒頭に書いた友人の「微妙だけど、可能性を感じるかな?」というコメントの意味が、とてもよくわかった。

 私も、この店の(つけ麺の)「可能性」はすごく感じた。

 このつけ麺はほんと、「テンコ盛り」なのよ。よさそうな要素が。

 自家製麺、内麦100%、全粒粉使用、「太」「平麺」、冷水で固めに茹で上げる。
 麺の上のネギは凝って白・青の2種類。半熟煮玉子もマスト。柚子の皮も使ってさっぱり感を演出。さらに珍しい西洋ワサビで目新しさも。
 つけ汁はやっぱり主流の豚骨魚介(ただし使ってるのは鶏かも)。油多め、魚粉も入ってて、チャーシュー、メンマはいい仕事。
 ノリ、フライ玉ネギで香ばしい香りを出す。
 ダシの煮干や干エビをあえて少しつけ麺の中に入れて「見せる」演出。
 天然素材、化学調味料・添加剤不使用。

 ......。

 何と言ったらいいのかな。

 受けがよさそうな手を思いつく限り全部並べてみたという感じ。
 ノリなんかは雑誌に紹介されている写真にはなかったので、いいと思ったらどんどん足していってるのだろう。でも......、

 詰め込みすぎだよ。

 このつけ麺について、(現在は)微妙だけど(これからどうなるかについて)可能性を感じるという友人のコメントは、ほんとによくわかる。

 私もこの店の「可能性」は感じる。ここまでは一緒。しかしひょっとしたらこの「可能性」はずっと開花しないまま終わるんじゃないかという危惧を、強く感じた。

 このつけ麺には、申し訳ないけどもセンスというか全体を貫く1つの柱というか......が全く感じられない。よさそうなものを突っ込んでいったらこんなのできちゃいました、という、ツギハギだらけのつけ麺に見える。

 いいものを集めたから、確かにおいしい。
 おいしいけど、うまくない。
 そういう残念感は麺乃家で受けた印象と似てるかも。

 それぞれの要素だけを見ると、それを活かしたらとてもいいものができそうで、その意味で「可能性」は非常に感じられるのだ、ほんとに。でもきっと、それらの要素をコントロールする術を、この店は持ってない。個別のものはとてもキレイでオシャレでカワイイものを持ってるのに、それがあふれかえって部屋が整理できない女みたいな。(^O^)

 そういう意味。

 もしもこの店のポテンシャルがこれからつけ麺という商品として花開くとしたら、それはこの店が豚骨魚介を捨てる時じゃないかなと思う。そのくらい抜本的に変えることになれば、この可能性は結果として結実するかもしれない。
 これだけいろんな引き出しを持ってる(ように見える)のに、その土台となるのが(たとえ「勝ちモデル」[by 石山勇人]であるとはいえ)使い古された豚骨魚介だなんて、志が低すぎる。

 大昔に「手打ちらーめん本伝@扇町」で書いたことと同じ話なんだけども......。

 手打ちらーめん本伝(閉店)は麺を客の前で手延べしてくれるとても面白い店だった。しかしその麺を使って作るラーメンは何故か博多豚骨ラーメン。中国出身の店主が「博多で感銘を受けた」そうだが、ほんと、何考えてるのかと思ったよ。

 そんなことしたら店主がどれだけ努力してうまいものを作っても、受ける評価はせいぜい「本場博多の味に迫る本格派博多ラーメン」止まりだ。どれだけ頑張っても。そして博多ラーメンの歴史の中で完成された「細麺を固めで食う」というスタイルと比べられて「ああ、やっぱり本場の方がいいわ」と思われる。そりゃ思うよ。博多ラーメンはそういう食べ物なんだから。

 あの麺は、そういうフィールドで勝負するべき麺じゃなかった。

 せっかく他では滅多に食べられない面白い麺なのに、その個性が全く活きない扱い方をしてるのはほんとに残念だった。

 今回の麺元素つけ麺(魚系つけダレ)にも同じようなことを感じた。

 これだけいろんなことをやって「可能性」を感じさせるのに、作っているのは既につけ麺の1ジャンル(というか主流?)として確立した「豚骨魚介」。
 あまたある「可能性」を伸ばしてこれから麺元素がたとえ旨さを極めても、それは所詮はすでにできあがってる「豚骨魚介」というジャンルの中での優等生に過ぎない。せいぜい既に豚骨魚介でトップの座を射止めている「東京のあの名店の味に迫る」なんて言われるくらい。似たようなものは他でも食べられるけど、その中ではちょっとこっちの方がいいかな、みたいな扱いだ。それはそれでそれなりの評価は受けられるだろう。その努力はもちろん大変だし、私もその店に足を伸ばすだろう。

 でも、この店はほんとにそんなの目指してるの?

 と思う。

 なんかそういう疑問を強く感じるのだ。

 目指す方向がちゃんと見定まってないから、無難な土台の上によさそうな要素を継ぎ足してるだけになっている。

 だから今のままだと私はこの「可能性」に期待はかけられない。

 これだけ意欲があるんだから、「今ある土台の上でそれなりにうまいものを作る」ではなく、ここでしか食べられないオンリーワンのつけ麺を作ってほしい。

 あ、もちろんこれはこの店に「可能性」があるから思うことであって、その意味では見捨ててるんじゃなくてむしろ「もったいない」という話ね。これを悪口と捉えられると書いてる自分としても辛い。(^O^)

※なお、これはつけ麺を食べた感想であって、ラーメンは未食のため知らない。この店はらーめん麺元素を名乗っているくらいで、その本領はラーメンにこそ発揮されていると考えるべきだろう。この店もまた、つけ麺はあくまでも余技なのだろう。ラーメンを食べるべき店なのだ。そのあたりは読む方もひとつ、よろしく。

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  • 旅館の朝食

本日のBGM:
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コメント(2)

ラーメンも同じです 実に惜しい
新深江の静も 同じ事を感じますわ
静は近いので 少し通ってみますが
こちらはわざわざ行くっていうのは無いかな?

>かなラーさん
 
>ラーメンも同じです 実に惜しい
 
あらららららら。(^^;;
 
>こちらはわざわざ行くっていうのは無いかな?
 
そうなんよねえ。
何というか、

「○○君って、すっごくイイヒトなんだけど、そういう対象じゃないのよねー」

って感じ。(^O^)

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