龍旗信の新つけ麺(\800)を食べた。
以前の龍旗信つけ麺(旧つけ麺?)は正直言ってあまり評価はよくなかった。
「ラーメンをスープと麺に分けて、スープを濃くしただけ」という印象が拭えなかったのだ。

龍旗信つけ麺(旧つけ麺?)
だから今回は店に入るまでは龍旗信ラーメンにしようと思っていたのだが、貼紙の「新つけ麺」の名前に惹かれて頼んでみた。

新つけ麺(¥800)@龍旗信
麺は普通の太さ(貼紙には「中太麺」とあるけど、そんなに太くない)のストレート。並盛も大盛も値段は同じ。
具はチャーシュー、青ネギ、とうみょう。
つけ汁は貝の風味がかなり強い塩。
旧つけ麺(¥800)は半熟煮玉子がデフォだったが、新つけ麺では+\100のオプションになっている。「旧」にあった白ネギ、きざみ海苔もなくなっている。また「旧」では青ネギ以外はすべて麺の上に盛りつけられていたのが、「新」ではすべてあらかじめつけ汁に入れられている。だから新旧で見た目の印象がかなり違う。



まずつけ汁を少し口に含んでみると、塩分と旨味がかなり出ている。「塩ベースでさらに魚介系を効かせた新しい味」と書いてあるが、私はむしろ「懐かしい」に近い印象を持った。ここのラーメンは昔はけっこう貝の香り(ムール貝らしい)が立ってたんだよね。でも最近はあまり感じなくなってた。今回一緒に行ってラーメンを食べた友人も貝の香りは感じなかったそうだから、今のラーメンはやっぱりそうなんだろう。だからこの風味には一瞬、昔食べた龍旗信ラーメンの姿が浮かんだのだ。
このつけ汁は、口の中にいきなり貝の香りが広がる。そして旨味(うまみ、脂)と塩分もかなり強い。まあそりゃつけ麺だからね。強くなるんでしょう。
なかなか面白いと思う。
これにストレート麺をつけて食べる。
この麺、どうもラーメンと同じ麺を使っているように思う。本当のところはよくわからないけど、きっとそうだ。
前回「ラーメンをスープと麺に分けて、スープを濃くしただけ」という印象を持ったのは、この麺を使っていることが大きかったように思う。
とすれば、オオタメン謹製の真空ミキサーものということになるのかな。
やや固め、表面がツルツルした、プリプリとした食感の麺だ。
正直、これは(少なくともこういう処理では)ラーメンには合ってもつけ麺には合わないんじゃないかなあと思う。
この食感が好きな人もいるだろうけど、うーん......。
このつけ麺を食べてすぐに思い浮かんだのはボンゴレビアンコ。
この麺の食感は、そのまんまアルデンテのスパゲッティだ。
その意味ではそれなりに食べられる。
ただ......お察しの通り、だったらボンゴレビアンコを食べた方がウマいわけですよ。
うーん。
結局、今回の印象は、
「昔の龍旗信ラーメンをスープと麺に分けて、スープを濃くしただけ」
か、
「中華麺でボンゴレビヤンコっぽいものを作ってみました」
あたり。それなりにおいしく食べられるけど......。
違う麺なら随分印象が違うんだろうなあ、と思う。
いや、ラーメンならそれなりにいい麺だと思うんだよ。
どうも麺の固さとか麺のコシとかについて考えてしまう。
先日もリンクを張ったラーメンの食べ方マナーってある?で、
「ラーメン屋ではメンカタ(麺を硬めで頼む)で食べるのが、一般的に通の食べ方です」
と言われている。この記事自体は「通」ではない人の書いた記事だけども、この意見はこの人の「知人のラーメンオタク(通称ラヲタ)」から聞いた見解だろう。
つまり、当の「ラヲタ」さんですら、これが「一般的に通の食べ方」だと考えているということだ。(この文脈では「ラヲタ」も「通」も同じ意味で使われてる)
#この一例を全体におっかぶせてはいけないのはわかっているが、まあこれは話の流れとして、こういう人も少なからずいるだろうってことで話を進めさせて。
しかし当たり前のことながら、もし人よりたくさん食べてる人を「通」と呼ぶのだとすれば、通がたどり着くのは
「固めで食べるのがウマい麺は、固めで食べるのがいい」
ってことだろうと思うよ。
麺にはそれぞれ、千変万化の個性がある。
どう食べると一番ウマいかということも、麺の個性、そして更にスープや具とのバランスまで考えればそれこそ千差万別だ。
となれば、固めが合うラーメン/つけ麺もあるし、逆にやわ目が合うラーメン/つけ麺もあるはずだ。そしてたくさん食べてれば[固め|やわ目]が[コシがある|ない]とイコールではないこともわかるはず。
それがわかってれば、
「ラーメン屋ではメンカタ(麺を硬めで頼む)で食べるのが、一般的に通の食べ方です」
なんてことが言えるはずがないのだ。というか、どの店ででもそういう注文をする奴がいれば、それは「通」どころか、まさに「固めを頼むのが『通』なのだ」という情報を食ってるに過ぎない。麺の個性なんかには興味がない、更に言えば実は味なんてどうでもいい......ってことはそれ、むしろ「通」とは対極の人ってことにならないかい?
......とはいえ、これは客だけではなく店側も陥りやすいことのように思う。特に自家製麺ではなく製麺所から麺を買っている店に感じることが多い。
彼らの経験上、「麺固め」で出していれば[喜ぶ|納得する]客が多いのだろう。そして残念ながら「ラヲタ」「通」と呼ばれる人たちにもそういう評価をする人がいる(実際、↑の記事の筆者の友人など)わけで、となれば麺の質にかかわらず「麺固め」をデフォにしちゃう店があっても不思議はないように思う。製麺所から麺を買っている店の多くは麺を自分で作ってないのでどうしても無頓着になる部分が出てしまうのだろう。
で、龍旗信のつけ麺はどうも、この「固さ」のワナに陥っているように思う。
この麺はラーメンに合う麺だと思うし、だからつけ麺にするならそれ用の別の麺を使う方がいいと思うが、この麺を使うとしても、扱い方によってはもうちょっとつけ麺として成立する麺に仕上げることはできるのではないかと思う。
龍旗信の店主・松原氏は以前、『らーめん裁判』というテレビ番組に出た時、(自家製麺ではなく)製麺所の麺を使うことに関して、
「製麺所は麺で生きて来てるから、作るの上手いやろうと単純に思う」
と「麺は麺のプロに任せる」という趣旨のことを語っていた。確かに製麺所は「麺を作る」ことのプロだから、その考え方もアリだろうと思う。
ただ、「仕入れた麺を茹でて締めて盛りつけて客に出す」ことのプロは、製麺所ではなくその店だ。
その意味では、この麺の処理の仕方はちょっと残念だなあと思う。
ラーメンと同じ茹で時間にしているんじゃないかなあ。わからないけど。
「この麺をつけ麺で出すには?」ということについて、ほんとにちゃんと向き合ったのだろうか。
「麺は固め」とか「スープ/つけ汁は熱くないといけない」とか、根拠も曖昧に決めつけてる「通」さんは結構いるように思う。
突然食いたくなったものリスト:
- かりんとう
本日のBGM:
Tygers Of The Sea /STORMWITCH
イントロはRUNNING WILD『Port Royal』ですな。(^O^) これもB級ジャーマンだけど、なかなか好きなバンドだった。

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