MTGと、芋づる式に『らーめん裁判』の話題(追記あり)

 「MTG」での検索が多いので、MTGについて書いたエントリをまとめておこう。

MTGを使った店(2008年8月 9日)

MTGという麺について。まだ塩つけ麺「MTG」は全く食べていない段階。

MTG 気をつけろッ(2008年8月16日)

しゃかりき久保田では、塩つけ麺「MTG」は夜しか提供されないというお知らせ。

MTG巡りの顛末(長いよ)【訂正あり】(2008年8月21日)

実際に塩つけ麺「MTG」の企画に参加した3店舗(計4食)を食べての感想。

 ふと思ったのだけれど。

 出てきた麺があまりに違いすぎるので、ひょっとしたらしゃかりき(あるいは他の2店)の麺はMTGではなかったのかもしれないと時々不安になったりするのだが、さすがにそんなことないよね?

 塩つけ麺「MTG」は限定1ヶ月のイベントだから、もうそろそろ終了の時期なのかな。
 MTG巡りの顛末(長いよ)【訂正あり】のコメント欄に書いた話。

 今回の企画のように、複数の店舗が「同じ麺を使っている」と公表して、しかも同趣旨のメニュー(今回の場合「塩つけ麺」)を出してくれるようなことは滅多にありません。

 まずスープに個性が出ますし、さらに麺も、同じ麺なのに仕上がりが全然違っている。今回の場合は久保田と鶴麺が結構似ていて(でも同じではない)、しゃかりきがこの2つとはかなり違うという感じでしょうか。麺の食べ比べだけでも楽しいです。

 同じ素材を使っているからこそ、その店の考える「ウマい麺」の解釈がはっきりとわかります。すると各店と自分の好みとの距離もはっきりするでしょうし、食べ比べて初めて見えてくることもたくさんあると思います(私はありました)。

 ほんと、なかなかないチャンスですから、是非皆さんも各店に足を運んで食べ比べていただきたいです。

 「同じ麺」「同じ茹で時間」なのにこれほど食感が違う麺ができあがる......そりゃどうしてだ?みたいなことを考えて食べるとかなり面白いと思う。

 まだ行くチャンスのある方は、是非是非、複数の店で試してみて。

 結局、この3店舗で食べたMTGよりも、6月にラーメン産業展でもらってきたMTGのサンプルを試食した時が一番おいしかったように思う。

 サンプルをもらう時に茹で時間を聞くのを忘れたので、時々固さを見ながら茹でて、ちょうどいいというところで上げて氷で締めた。それでも固すぎず、かなりうまかったのだ。
 その時の茹で時間が3分半~4分。

 で、麺屋棣鄂が店に指示している(?)茹で時間は6分半だ。(各店舗、だいたいこの時間で守っている)

 いや、それはそれでうまいと思うけども(鶴麺の麺はうまかった)。
 試しに4分でやってみたらいいのになあ。

 冷静に考えて、17番の麺に6分半というのはやっぱり少し長いんじゃないかと思う。どうだろう?

 MTGの一番のオリジナルの作者である庄司君の店・麺野郎でも、少しゆるめの麺を出している。

 彼曰く、「氷で締めるとゴワゴワになって食べにくい」とのこと。
 だから麺を締める水も、「今の時期が一番楽です」と言っていた(真夏の話)。
 冬にはわざわざ水に湯を混ぜるのだとか。

 彼は彼で信念があるのだろう。

 しゃかりきの麺の茹で具合(というか、「締め具合」か?)は、あるいは庄司君に影響を受けているのかもしれない。

 ただ、私はもうちょっと固めにしてくれた方が、彼の麺の旨さが引き立つのになあ、と思う。まあ氷で締める必要はないにしても。歯応えも味の大きな要素だもん。

 昔『らーめん裁判』というテレビ番組(読売テレビ 2005年12月24日放映)で庄司君は、

「カップラーメンでもちょっとふやかさせて伸びた麺の方が好きだという人もいるんですよ。そういう人にうちのラーメンはまず合わないです。僕らはできたてでビシッとした麺を出したいんで、お客様にもそれを強要することがあるんです。そういうのが好きな人は食べんと隣の人とずっとしゃべってます。それを見たら僕らは我慢できない。そのラーメンを下げて『新しく作り直します』って言います......」(大意)

 とまで言い切っていた。これはつけ麺ではなくラーメンに関しての話だけども、そういう考えの彼がこのゆるさの麺を出しているのはちょっと不思議。これは非難ではなく、素直に不思議だ。

 ......とはいえ、麺野郎の麺はかなり狙いは分かるというか、計算ずくの湯がき具合なのだろうなあとは思う。ちゃんとクォリティは保っているので。つまり、「好みの問題」として納得できるレベルではある。だからこそ、不思議。(^O^)

 上記、『らーめん裁判』という番組(特番/副題は「12人のシビアな店主たち」)は関西のラーメン店12店(純情屋、山長、天天有、陣護、龍旗神、一等星[金久右衛門]、あじゅち屋、しぇからしか、じゃんぷ亭、弥七、麺哲、洛二神)の店主たちが出演してラーメンについて討論?した番組。おそらく番組企画者が意図したようには進まなかったのだとは思う。だいたい、みんなで討論してその中で一番うまい店を選ぶという企画自体に無理がある(^O^)し、出演するのはみんな職人ばかりで、話がそれほどうまいわけじゃない。出演した人に聞くと、結構ウダウダだったようだ。
(番組の最後には各店主による投票で「一番うまい」とされた店がラーメンを振る舞うことになっていたそうだ。だからみんな材料を持っていったそうだが、各店の営業時間の問題や用意された厨房がショボかったということもあって、なくなってしまったそうだ)
 しかしそれでもそれなりの編集はされていて、面白い話がいろいろあった。

 これがなかなか興味深く、この番組で出てきた話についてこれまで何度か書いている。そこで、ついでにこれもまとめておこう。
 (庄司君の話ばかりなのは、結局、この番組で一番中身のあることをしゃべったのが彼だったからというだけのことであって、他意はない)

#この12店の構成については、見る人によって色々考えるところがあるとは思う。実際、この番組の出演を依頼されて断ったという人(例えば一信の住田氏)もいるし、最初に企画した段階で想定していた顔ぶれとはいくらか変わっていたのだろうと思う。ただ、それでもそこそこの顔ぶれが集まったんじゃないかな。

 この番組にはこの店(じゃんぷ亭)の店主も出ていたのだけども、店の紹介VTRの中で、

「ラーメンの味だけではなく店の内装やBGMまで気を使っている。『五感』で感じるラーメンを目指している」

という部分があった。ここを引っ張り出して、ゲストの「ラーメンマニア」の江田けんじって国会議員がこういうことを言った。

「そんなことやってるヒマがあったらウマいラーメンを作ることに集中してほしいですね」

 何を今さら当たり前のことを。
 お前もラーメン好きなら、この場に臨んでそんなガキ臭いコメントするなよ。ちょっと知識つけてイキがってる高校生か。

 内装とかに気を使う = ラーメンに集中してない

 という、このどうしようもない短絡。
 チェーン店になった = 味落ちた くらいの短絡か。

 まあ確かに一般論としてはそういうこともあるかもしれんけども、だ。
 しかしアンタ、ここで食ったことないんだろう。
 その店が味を二の次にしてそれをやってるのか、味はクリアした上でやってるのかなんて全く知らんのだろう。

 私らがそのへんでツレと会話してるのとはちゃうのよ。ローカルとはいえテレビだ。そういう一般論をテレビというメディアで個別の店にぶつけることが、どれだけ無責任で危険なことか。
 国会議員のくせにそういう影響力に気づいていない無神経さが凄い。

 このコメントに対してじゃんぷ亭の主人は緊張のために半泣きになりながら(^O^)「我々、やっぱりラーメンに凄い情熱かけて作ってるんですね。旨いというのはもちろんのことなんです」と反論していた。

 そして意外?なことに、これに助け船を出したのが麺哲の庄司君。

「僕もね、じゃんぷ亭で食べさせてもうた時にあの(野菜を炒めたりする)音がいいと思った。逆にね、音が出てこない味噌ラーメンって何をやってるのかなと思うからね。やっぱりあの音あっての味噌ですよ」

 正直言って、庄司君はここのラーメンそれほど好きじゃないと思うんだ。(勝手な想像)
 このリクツもちょっとアレだし。(^^;

 でもね、それがゆえに、庄司君って結構いい奴やなあ、と思ったよ。(^O^)

 
 去年の年末に放送された『らーめん裁判』という番組の話は何度かしたと思うけど、この番組で、食品添加物の話も出た。  そこでのこの話題の扱い方が興味深かった。

 話は自家製麺にこだわる麺哲の庄司君の

僕が製麺所の麺を使わない理由の1つが添加物。添加物が入ることによって麺の味はほぼ死にます。プラスチック溶液みたいなものを入れているところもあります。食べたことがあるはずですよ」(大意)

 という発言をきっかけに展開する。この「プラスチック溶液みたいなもの」というのはプロピレングリコールという保湿・保存剤のことで、法定範囲内の使用なら人体に特に害がないとされている。

 「興味深かった」と書いたのは、彼のこの発言の後、話題が一気に「食品の安全性」に進んでいったこと。
 番組もフォローの必要性を感じたのか、製麺所の社長を出して製品の安全性について「証言」させている(一応、「裁判」だから(^^;)。ここで証言したのがオオタメンの社長だったんだけどもね。

 オオタメンの社長は「私どもの一番大事なことは健康と安全です。添加物は麺をおいしくするものだと思っています」(大意)と証言したんだけども、一方で「うちではプロピレングリコールは現在は一切使ってない」という話をした。
 となれば、やっぱりプロピレングリコール自体は危険ってことちゃうの?
 つまり食品添加物自体は危険という認識からは抜け出していない(というか、そういうイメージにおもねっている)わけで、自分の会社の弁護にはなっても食品添加物の弁護にはなってなかった。
 中途半端だよなあ。

 いや、私が「興味深かった」と書いたのはこういうことじゃなくて。

 冒頭の庄司君の食品添加物に関する発言から、番組の流れがすぐに「食品の安全性」の話題に突き進んだこと自体が興味深いという話。

 実はこの時、庄司君は食の安全性なんて話をしたのではなかった。

(追記:
この話の説明として、庄司君は

「当然、小麦粉とかん水と水という基本の中に余計にそういうものが入ったとしたら、そのぶん粉がなくなるわけですから、粉の味はしなくなる」

という話をした)

 彼は、食品添加物=余計なものが入ると、当然そのぶん小麦粉の割合が減ることになる。粉の味がしなくなるので麺の味が落ちる、だからダメと言っていたのだ。

 体に悪いからダメではなく、味が落ちるからダメ。

 私は解りやすくて正当な意見だと思うのだけども、誰もそうは取らなかったみたいだ。

 添加物の話題が出ただけで、本来話とは全く関係ないはずの安全性という流れになってもみんな違和感を感じない(みたいな)のは、ちょっとどうかと思うんだわ。

 どうも固定観念に囚われてる気がしてならないんだよね。

 
 関西ラーメン界のカリスマ(^O^)麺哲の庄司君が、「化学的にいうと、中華麺というのはアルカリなんですよ。かん水が入るから。スープに入れた時点で味はかなり変わります。『ラーメンはスープだ』って言ってる人は、だったら麺は入れちゃダメです。......」(2005年末放映『らーめん裁判』より)なんてことをよく?言っている(た)。

 私は庄司君の麺は好きだし、「ラーメンは麺を食わせるもの」という考えには全面的に賛同するけども、しかし↑の話は、ちょっと違うでしょうと。

 いや、「ラーメンの麺はアルカリ性」というのは正解としても、麺というのはたいていの場合(というか、100%)、大量の湯で茹でるのだ。この時にアルカリ成分はほぼ全て溶け出してしまう。
(逆にうまく湯がけてない場合は「アンモニア臭い麺」になってしまう。ちなみに今年は2度、そんな麺に遭遇した)
 だからちゃんと湯を換えてちゃんと湯がいてちゃんと湯切りをしている限り、スープに影響を与えるほどのアルカリ分が麺に残ってるようなことはない。
 でないと、九州ラーメンの替玉のたびに味が変わるということになる。替玉をして「薄くなった」と感じることはあっても、「味が劇的に変わった」ということはないでしょ?

追記(2008/09/09):
上記の私の「この時にアルカリ成分はほぼ全て溶け出してしまう」という部分は間違いです。
確かな数字は特定のしようがありませんが、麺のアルカリのうち、茹で湯に溶け出すのは半分から約7割ほどであろうということです。
そして麺に残留したアルカリは、スープに投入されてからも徐々に溶けだし、時間が経てば立つほどスープの味を変えていく、というのが正しい認識です。
詳しくは「某職人さんへのレス他」を御覧下さい。
御指摘いただいた「某職人」さん、ありがとうございます。

突然食いたくなったものリスト:

  • ステーキ

本日のBGM:
踊り子 /村下孝蔵



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コメント(2)

某職人 :

>アルカリ成分はほぼ全て溶け出してしまう。

私もラーメンに携わる一人として、この考えは不思議に思います。
この意見の根拠はありますか?
かん水にもいろいろありますよ。

それと、麺はアルカリですが、スープは酸です。
間違いなく中和するので、めんをスープに入れた瞬間にスープが変化するのは間違いないですよ。かえ玉なんて、その後の話ですよ。

管理人 :

>某職人さん

こんにちは。

御指摘、ありがとうございます。
私の認識が間違っていました。

某職人さんへのレスは、新たにエントリを立てましたので、そちらをご覧頂ければと思います。

http://taizo3.net/hietaro/2008/09/post_395.php

どうぞよろしくお願いします。

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このページは、hietaroが2008年9月 5日 02:51に書いたブログ記事です。

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