MTGを使った店

 以前、「【純情屋情報】麺が一線を超えた話と試作品×3」というエントリの中で少し紹介した、「MTG」という麺がある。

 2箇月ほど前にラーメン産業展でサンプルでもらってきて試食してみたのだが、これがなかなか面白かった。

 麺屋棣鄂(めんやていがく)という最近元気な京都の製麺所と、プライムハードと真空ミキサーを使った自家製麺で関西のラーメン屋に大きな影響を与えた麺哲麺野郎の庄司忠臣氏が協力して作った新しい麺だ(庄司君からレシピを提供してもらったそうだ)。
 「MTG」という型番は「麺哲超え」を意味しているという。

 写真再掲。



MTG


MTG


つけだれにつけてみたところ

 庄司君の作る麺の大きな特長はまず真空ミキサーを使うところ。
 真空ミキサーを使うとコシが出てとても歯応えと喉ごしのいい麺が出来る。やろうと思えば加水率を50%くらいまで上げることも可能。スパゲッティのようなプリップリの麺ができる。
 しかし前回も書いたように、粉と水やかん水などをミックスする段階でミキサーから空気を吸い取ってしまうことになるので、その時に風味も飛んでしまう。
 結果、歯応えは抜群にいいけれど風味という点では少し物足りなさを感じる......そんな麺が庄司君の麺の特長だった。

 最近、麺屋棣鄂も真空ミキサーを導入したらしい。最低でも300万円くらいするという話を聞いたことがある(数字の真偽は不確実だが、高いことは間違いない)から、かなりの投資だ。

 で、MTGだ。

 試食してみたところ、これがなかなか面白い。
 上記のような庄司君の麺の特長にプラスして、小麦の風味も残っている。かなり面白い麺になったと思う。

 昔、庄司君(当時は秀次郎という店の店主だった)は私(客)と話しているときに、

「スープばかり気合いを入れているのはスープ屋であってラーメン屋じゃないです。ラーメン屋は麺を食わせるんです」

と言ったことがあって、私もそれには激しく同意したものだ。2002年のことだけど、確かに当時の(少なくとも関西の)ラーメン界はそういう傾向がまだまだあったから、それを強く主張する庄司君に頼もしさを感じたものだ。
 そしてその後、彼が関西に麺革命を引き起こした(^O^)のは関西のラーメン好きなら御承知の通り。

 ただ、庄司君の麺全般に言えることだけれど、この麺をラーメンに使うとすると、かなりスープを選ぶと思う。こう言ってしまうと申し訳ないが、庄司君の作るラーメン(つけ麺ではなく)はどれも麺とスープが独立して目立ってしまって、「バランス」という意味では完成度はそれほど高くないと思う。
 庄司君の作るものは麺はもちろんスープもコストをかけて気合いが入っている。だから単独に味わうと、とてもいい。麺は麺として、スープはスープとして非常に完成度が高いのだ。ただ、一緒にしてしまうとどうにも分離感があるんだよなあ。
 何と言ったらいいのかな、スープを飲んでると、余計な具(麺)なんか入れるなと思うようなうまさだし、麺は麺で、替え玉で出してくれる小皿に盛られた(スープに入れる前の)麺が一番うまいと思うし。

 その点、つけ麺(麺野郎はつけ麺専門店)の場合は麺とスープの主従がはっきりしているので、そういう分離がない。私の印象としては庄司君の麺はつけ麺に使うべき麺だと思う。

 これは恐らくMTGも同じだろうと思う。
 これをラーメンに仕立てられるラーメン屋がいれば、それはかなり大したものだろう。

 ちなみにMTGについて、複数の(それぞれ連絡のない)ラーメン店主が、「これは長崎チャンポンに合う麺」と評していた。
 確かにあそこまでのものに使うなら合うかも。

 で、つけ麺としたらどういうつけだれが合うのだろう?

 ↑の一番下の写真は、まあわかる人が分かるけれど、純情屋のつけだれだ。マスターに無理を言って店で湯がかせてもらって、バイトのYA君とNS君と3人で試食会をしたのだ。

 この時、この麺は純情屋のつけだれには結構合うね、という話になった。
 麺の風味もちゃんと残るし。

 ただ、最近のつけ麺の流行であるWスープのこってりつけだれと合わせてしまうと麺の風味が台なしになっちゃってダメなんじゃないのかなあ......という話をしていた。

 実際はどうなんだろうねえ......?

 しかしまあ、そのあたり純情屋も余裕だよね。まあアレだけの麺を作ってればヨソの麺なんてどうでもいいってわけだ。(^O^)

 ところで、このMTGを作ってる麺屋棣鄂はラーメン屋ではなく製麺所なので、食べたいと思ってもこれを採用する店がなければ食べることはできない。

 だからまあ、どういう店が採用するのかなあ、と思ってたら、ボチボチ出てきましたよ。MTGを採用する店が。

 麺屋棣鄂のブログ↓。

麺屋冥利(棣鄂日誌)
http://blog.goo.ne.jp/menya-teigaku/e/8c8665b1e7723e706b6d2fc252e66137

 これ見ると、ああなるほど。MTGはやっぱりつけ麺専用麺なのね。

先日ご紹介しました新麺「MTG」が、ようやく量産モードになってまいりました。

嬉しい事に、3店舗様が「MTG」でコラボをして頂ける事になりました。

鶴麺さん、久保田さん、しゃかりきさんです。
商品名はズバリ『塩つけ麺MTG』\880です。
明日(8日)より1ヶ月間開催の予定でございます。

 もちろんそれぞれの店の個性が出てるそうだから、できれば3種類とも食べてみたいところだ。

 どうですかね、この夏のラーメンツアーに組み込んでみては?

鶴麺(つるめん)(カドヤ食堂の近く)
大阪市鶴見区鶴見5-1-9
06-6939-2126
11:30-15:00、18:00-27:00
定休日:日曜日

吟醸らーめん久保田
京都市下京区西松屋町563-2
075-351-3805
11:30~14:30 17:30~24:00
定休日:火曜日

京都千丸 麺屋しゃかりき
京都市中京区聚楽廻東町3-9
075-813-5198
11:00~15:00 18:00~24:00 金・土 ~25:00
定休日:第1・3火曜日

 そういえばラーメン産業展の麺屋棣鄂のブースで、鶴麺しゃかりきの店主を見かけたなあ。

 レギュラーでMTGを出している店も見つけた。

麺屋 風火 @草津(麺'sブログ ~Zenon's Noodle Diary~)
http://menyahyoue.shiga-saku.net/e118725.html

風火の夏の風物詩「つけ麺」が7月1日から登場したのでいただいて来ました。
...... 麺は京都の製麺屋さん「麺屋棣鄂」さんと大阪の名店「麺野郎」の庄司さんが 協力して作られたという「MTG」。 ...... 今回の「つけ麺」は限定ではありません。店長にお伺いしたところ「準レギュラーみたいな感じで、冬までやって、冬に味噌つけ麺に変えようかと考えています。」とのことでした。

麺屋 風火
滋賀県草津市野村4-2-3グランステージ1F
077-561-7748
平日・土曜:11:30~23:00
日曜・祝日:11:30~21:00
定休日:月曜日(祝日の場合翌日)

 いや、何も滋賀まで行かんでも。(^O^)

 まあそこまで追いかけるほどの麺かどうかというのもあるし。
 上記3つも食べればとりあえず見極めはできるでしょう。

 しかしこの麺屋棣鄂のブログを見る限り、MTGは賛否両論があるのか。

 私はアリだと思うけどな。

 ......ただ、正直、7月からの純情屋の太麺はMTGすら超えてると思うけども。

 偶然にも?先日、純情屋麺屋棣鄂の社長(知見氏)が食べに来たそうだ。京都からわざわざ南大阪のこの片田舎に。

 MTGの試食などは私たちが横の方で勝手にやっていたことで、マスターはそんなのどこ吹く風だったものだから、社長に名乗られても「へえ」というだけで、「わからんことあったら何でも聞き」と声をかけてあげたそうだ。(^O^)

 まあしかし実際、純情屋はあの麺を既に10年近く作ってるのだからそこまで言ってしまっていいんだと思う。(上から目線で\(^O^)/)

 いやほんと、製麺って毎日の経験がものを言うんだと思うよ。見てると。
 毎日毎日、ああでもないこうでもない、気候がどうだ気温がどうだ湿度がどうだ、熟成がどうだ、加水率がどうだかん水濃度がどうだ......なんていう膨大なパラメータと格闘するんだから。

突然食いたくなったものリスト:

  • おにぎりせんべい

本日のBGM:
待たせたね /松山千春



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田川律『日本のフォーク&ロック史』より。


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このページは、hietaroが2008年8月 9日 01:47に書いたブログ記事です。

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