ありうべきことか

 以前、「桃太郎と白雪姫」というエントリで

「白雪姫が25人」という"事件"はほんとにあったのか?

 という疑問を書いたのだけども、やっぱりどうも、それが本当にあったかどうかはわからないみたいだ。というか、それが実際にあったか否かについてはほとんど問題にすらされていない。

 私は、きっとこれはなかったんだろうと思っている。
 似たようなことはそこここで起こっているのかもしれないけど。

 でまあ、それはいいとして。

 同じような?ことでまたググってみた。

 ちょっと前の話。どこだったか忘れちゃったのだけど、

「古代エジプトのパピルスにも『最近のワカイモンは......』といったフレーズが書かれていたそうだが......」

 みたいなことが書かれていた。
 これは誰でも一度は聞いたことのある有名な話よね。

 しかしこれ、ほんとに「これがその部分です」みたいなのって見たことある?

 これだけ有名なら、その部分と和訳が添えられた写真くらい流通してても不思議じゃないと思うんだけど。

 ......と思ってググッていくつか当たってみると、こういうページにたどり着いた。

Silly Talks 20052
http://www.geocities.jp/hammerzaks/19sillytalk2005.htm

#このサイトは、他の記事も面白い。(^O^)

 この中の「近頃の若い者は...」という記事に、こうある。

「近頃の若い者は...」

 半ば定説化しているが実は怪しい、という「常識」があって、例えばこの「『近頃(最近)の若い者は...』という言葉はエジプト時代から言われ続けてきた」というのがある。
 ふと思い立ち、その後はどういう言葉が続くのか、と検索してみるが、これが見つからない。それどころか、かなり根拠のない「常識」なのではないかと思われてきた。場所的にも、「エジプト」「メソポタミア」と大きく分かれるようである。曰く、

 ・ピラミッドの壁画に
 ・パピルスに(書記学校の教師の嘆きとして)
 ・エジプトの墓のどこかに
 ・日干し煉瓦に
 ・地層から
 ・ロゼッタストーンに

など、そもそもどういうものに書き付けられたかもまちまちである。ますますうさんくさい。そういえば、「ロゼッタストーン」の象形文字はどんなことが書いてあったのか。これは容易に見つかった(→「ロゼッタストーン日本語訳」)。これを見る限り、「近頃の若い者は...」と解釈しうる表現は見あたらない。
 ネットで見ると、結構公的な講演などでも「『近頃の若い者は...』というのはエジプト時代から言われておりまして...」などとよく引き合いに出されているようだが、その実態は極めて根拠薄であることがわかった。ま、皆さんテキトーということである。これと似た話で昔読んだ星新一のショート・ショートが挙げられる。「長寿の秘訣」が書いてあるという古文書。必死になって権力者が判読を促す。その甲斐あってついに明らかになった。それは「早寝早起き、腹八分」というものであったというオチ。「近頃の若い者は...」の話も、何らかのネタなのではないかと思う。(2005/8/21)

 うーむ。(^^;

 「『近ごろのワカイモンは......』というフレーズは昔から言われてきた」というのは何となくの実感でみんな「そうだろう」と思っているから、それ以上の詮索はしないんだろうな。

 しかしそろそろ、人類史上、実際に確認できる形での『近ごろのワカイモンは......』の初出は一体いつのどこの文献なのか、調べてみてもいい頃じゃないのか。(^O^)

 結局、人はずっと、自分より下の世代が自分たちよりも上であることを認めたくなかったんだろう。

 つまり、情けなかったのは常に年寄りの方だったのだと。

 だから「近ごろのワカイモン」と言い続けるしかなかったのだ。

 とか。

突然食いたくなったものリスト:

  • ハーゲンダッツ アズキ

本日のBGM:
忘れじのレイドバック /SOUTHERN ALL STARS



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コメント(4)

おおお、都市伝説の可能性には思い至りませんでした。その可能性、ありますよねえ。
調べている人がぽつりぽつりといますねえ。知りませんでした。

ネタ元としては『アシモフの雑学コレクション』が多いようだ、と書いている人が複数。代表は下記かな。
http://d.hatena.ne.jp/MrJohnny/20061010

下記によると、プラトンの『国家』までは遡れる、しかしそれ以前は……という話。これだと2000年余前。
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2007/04/post_7265.html

また、アナトリア博物館所蔵のヒッタイト(アッシリア)の粘土板に「世も末だ」というような記述がある、現地でそういう説明をガイドから受けたと書いている人も。これだと約4000年前。これも伝聞なので弱いですけど、「現地でもそう考えられているようだ」とは言えそう。
http://4travel.jp/traveler/marukun/album/10053657/

アッシリアの件や後述のポリュビオスの話を考えると、ヒエログリフやパピルス、ロゼッタストーンなどというのは、これらがねじ曲がったものなのかも。

ポリュビオスの話は書きに出てきます。これを読むと、真偽の確認も難しいなあ、と思います。
http://d.hatena.ne.jp/hakuriku/20080804

「○○に書いてあると誰々が言及している」という話の「○○(出典、ここでは古代エジプトのパピルスで、“ギザのイプエル”が書いたもの。ヒエログリフか。ライデン博物館の写本と同一か)」と「誰々(引用者、ここでは古代ギリシアのポリュビオス)」と、孫引きをした人(紹介者、ここではMartine)の、どこに間違いが紛れ込んでもおかしくない。
その一方で、実際に「いまどきの若者は」に相当する文言がなくとも(プラトンにもどんぴしゃなものはない模様)、ポリュビオスかMartineに相当する人が大意としてそのように紹介した、また、それが歪んで伝わる、ということもありそう。

んで。
それはそれとして、つい最近、どこかで日本の古典を引用して説明していたのを読んだような記憶があるのですが、見つかりませんでした。枕草子だったかなあと思ってググったのだけど、ヒットせず。印刷物だったのかなあ。
でも、手元に枕草子がない(-_-)

A-WING :

こんにちは。

>亀@渋研Xさん
>日本の古典

たしか吉田兼好の「徒然草」に、最近の人の言葉の使い方がどうの、というエントリがあったと思います。

最近の人は、わざと丁寧に言ったり、省略したりで、そりゃぁ古い人は文句も言うさ、みたいな内容だったと思います。

おおー、A-WINGさん、ありがとう。
でも、徒然草もどっか行っちゃった模様。実家かしら……。

ところでエントリの、これ。
>ちょっと前の話。どこだったか忘れちゃったのだけど、
>
>「古代エジプトのパピルスにも『最近のワカイモンは......』といったフレーズが書かれていたそうだが......」

きっとこれだ(^^;;

楽しい落書き?(2008年07月27日01:33)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=882582651&owner_id=10164&org_id=882961329

へい、あたしのmixi日記です。

管理人 :

おおおおおおお、きっとそうです。(^O^) >楽しい落書き

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